上海SNH48 Team NII全曲オリジナル新公演『時之巻』について好き勝手書いてみる(2)ユニット曲

上海SNH48 Team NIIの全曲オリジナル新公演『時之巻』が昨日2019/05/10初日を迎えたということで、個人的な感想を好き勝手書いてみる。人によって見方が違うのは当たり前なので、その辺りはご了承ください。

自己紹介MCの後、ユニット曲(全員ではなく数人のメンバーだけで歌う曲)について。

章のタイトルは「第二章 六族」で、ユニット曲6曲がそれぞれ一つの部族に対応しているらしい。

M05.画


作詞:郭德紫毅、作編曲:MUNA+CLEANUP HITTER

Akira(趙粵)のソロ曲。古筝の音色で中国風を意識しているが、古筝を除くと楽曲自体とアレンジは完全にK-POPのEDM。作編曲はやはりK-POPのEDMクリエーターのMUMA。CLEANUP HITTERが誰かは不明。

最初から最後までループするコード進行に、C#m9とG#が出てくるので、スケールの構成音がG#フリジアンドミナントになる。

アウトロではっきりするが、伴奏の笛のメロディーがCを吹かなくてもオリエンタルな感じに聞こえるのは、たぶんそのせい。中華風なのにK-POP、K-POPなのに中東っぽい。

7SENSESメンバーでもあるAkiraの、衣装で民族舞踊のように見せかけて、実はキレキレのK-POPダンスを楽しむ曲。

M06.一体同心

作詞:郭德紫毅、作編曲:MUNA

これがこの公演の中で、たぶん技術的にいちばん「変態的」な曲。


イントロはAm⇒Dmの進行の反復を五音階のように聞かせている。E、A、B、Cは都節音階で音色も琴のため、ルートがEの都節に聞こえてしまうが、ルートがFの都節音階は構成音が違う。

Aメロが始まると2音目にG#が出てきて、Eメジャースケールになったように聞こえるが、#G、A、#Gというボーカルで、またフリジアンに聞こえる。

で、メロディーにF#とGが現れ、Aメロの音階の構成音はE、F#、G、G#、A。後ろで鳴っているメロディーはA、B、C#、D。調性がよく分からない不思議な雰囲気になる。

Bメロもベースとボーカルのメロディーが二度でぶつかるところが多くよく分からない。サビになってようやくEマイナーのコード進行がはっきりして安心。

ツーコーラス目のAメロでまたよく分からなくなる。

このAメロ、バックでD、B、D、B、A、G#と鳴るため、やはりフリジアンドミナントだが、リサ(陸婷)のメロディーにGが出てきてフリジアンになる。ただモンモン(王詩蒙)のAメロには最後までGは出て来ず、Eフリジアンドミナントのまま。

Aメロが調性をぼかしているのはたぶんわざとだと思う。これだけ凝った曲は日本の48系リスナーには受け入れられないだろう。

M07.暗羽

作詞:郭德紫毅、作編曲:JXL+Kim Hamang

この曲も民族音楽色が非常に強い。歌詞にハムラビ法典が出てきます(汗)。JXL+Kim Hamangは過去記事を検索頂きたい。D7BOYSにも楽曲提供しているK-POPクリエーター。


メロディーにF#が現れ、すぐEマイナーと分かる。Em⇒CM7のパワーコードっぽいくり返しでコード進行の展開がなく、メロディーも起伏をおさえている。

Aメロが切れてダンスが始まるとまたまたフリジアンドミナントで、この曲ではエジプトの雰囲気を出している。フリジアンドミナント使いすぎ(汗)。

サビはコードプログレッションなしでEmのみのフリジアンドミナント。

上海SNH48がオリジナル曲でフリジアンドミナントでこういう曲をやったのは、SNH48 Team X『ドリームフラッグ 夢想的旗幟』公演の中東曲『Monster』が最初だと思う。

この曲は『Monster』路線と考えれば、SNH48オリジナル楽曲としては分かりやすい方。日本のアイドルポップスでないことは確かだが。

M08.伝頌之歌

作詞:郭德紫毅、作編曲:ASPJ、ASPJ


来ましたアゲハスプリングス。

これは分かりやすくてメロディーラインも美しいEbマイナーの曲。メロディックマイナー・スケールの7thがシャープするのを利用して、Eb、D、Bと下るメロディーで、Bbがルートのフリジアンドミナントに聞かせている。

またまたまたフリジアンドミナントです(汗)。伴奏の笛の音色は基本的にフリジアンドミナントを吹き続ける。

ただそういうアレンジを除けば、ベースラインも含めて楽曲としては普通のEbマイナーの聴きやすいアイドルポップス曲。サビのメロディーも前半と後半に分かれていて豊かで美しい。

伴奏にシタールの音色が出てくるがインドというわけでもなく、クラップも使われていてジプシーっぽい感じもする。もはや国籍不明、とりあえずオリエンタル。

(どうでもいいことだが、オリエンタルは日が昇る場所で、欧州から見たときに東方にあるアジアのこと。中国から見ると異国情緒は逆に西方になる。劇場公演の生中継の現地ファンのコメントで「西方」という単語が出てきてなるほどと思った)

アレンジだけでどれだけ曲の雰囲気を変えられるかというお手本のような曲と言えるかも。

分かりやすいと思ったら作編曲がアゲハスプリングスで、激しく納得。

M09.観自在


やっと、やっとのことでメジャー曲です。Eメジャー。メロディーはいわゆるヨナ抜きの五音階。やっぱり民族音楽を意識している。

Aメロのリフレイン、ルイメイ(趙佳蕊)が歌いだすと伴奏にこっそりシンセサイザーでE9の和音が入ってくるところがすごく良い。

メロディーラインが非常に美しく、BメロからサビにかけてちゃんとEDMとしてドロップするところも素晴らしい。

メジャーコードで雰囲気がパッと明るくなるこの曲が、愛ちゃん(易嘉愛)トゥーヤ(金瑩玥)ルイメイ(趙佳蕊:旧瀋陽SHY48から移籍)の3人というのは絶妙な人選。

ミドルエイトの前半に別メロが書かれている。その直後のサビでドラムスをいったん抜くところなど、今のK-POPのEDMアレンジのお作法がちゃんと使われている。

M10.信念箭羽


再びマイナー曲に戻って、アニソンイントロ・シリーズ。ピアノ伴奏だけのサビ始まりはアニソンのしるし。初日でも観客ががっつりCALLできるのはアニソンイントロだからだろう。

スケールは普通のAマイナーで、メロディーもコード進行も王道。安心して聴けるJ-POP。

実際にはアニソンではなくドライブミュージックで、高速道路を走りながら聴くオシャレな音楽で、BメロのBbM7、BM7と半音ずつ上がる経過転調がオシャレ。

こういう音楽スタイルの幅の広さがSNH48楽曲の魅力だと個人的には思っている。

以上がユニット曲6曲だが、一般的なSNH48グループの公演と比較して、やはりフリジアンドミナントの使用率が高く、オリエンタル感がハンパない。

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