上海SNH48 Team NII全曲オリジナル新公演『時之巻』について好き勝手書いてみる(1)

上海SNH48 Team NIIの全曲オリジナル新公演『時之巻』が昨日2019/05/10初日を迎えたということで、個人的な感想を好き勝手書いてみる。人によって見方が違うのは当たり前なので、その辺りはご了承ください。

一言でいうと素晴らしい公演、かつ、半分は日本のアイドルポップではなくなっている。

最近のSNH48公演曲がヒドいと感じる人は、AKB48の思い出の中に生きているだけ。K-POP含むSNH48の楽曲や舞台演出の多様化は、48系でない独自の何かを手さぐりしているから。

ご承知のように今回の公演にはきっちりストーリーがあり、架空の土地の六つの種族の対立がテーマ。

なのでファンタジー系のゲーム音楽でよく使われるドリアン・スケール、中東の雰囲気を出すためのフリジアン・スケールという特殊な音階が多用されている。ちょっと使いすぎなくらい。

ドリアン・スケールのいちばん有名な曲はたぶん『スカボロフェア』。

「第一幕・雪国」のオープニングがいきなりドリアン・スケールになっている。

ちなみに上海SNH48 Team X『命運的X号』の最初の曲『Star River』もドリアン・スケールで、この音階を使うと一気にファンタジーの世界に引き込まれる。

今回の『時之巻』のオープニングはさらに分厚く壮大なオーケストラアレンジで、ちょっと48系アイドルの公演とは思えないほど豪華。

M01.雪之国

作詞:郭德紫毅、作編曲:加藤冴人

そのままドリアンスケールで、普通のマイナースケールも使っている三拍子。ツーコーラス目終わりの間奏のコーラスアレンジは鳥肌もの。

さらに最後のサビが半音上がるところで愛ちゃん(易嘉愛)が立ち上がってソロで歌う部分なんて、申し訳ないけど日本の48系公演では絶対ムリなクオリティ。

加藤冴人氏はぶっちゃけ無名の作編曲家、LOVE ANNEXという事務所所属。制作実績を見ると、やはりアニメ系が多い。

加藤氏個人の作編曲クレジットで唯一見つかったのが、鈴木みのりという声優さんの2018/05/09リリースのシングル『リワインド/Crosswalk』収録の「大好きになってよかった」。平凡なJ-POPのようでいてサビのコード進行がややトリッキー。

以前中国ツイッターでSNH48の音楽総監さんから聞いた話だが、日本の大物アイドルのように、山ほどあるデモ楽曲から良いものを選ぶのではなく、制作会社にコンセプトを伝え、何度もやりとりしながら楽曲を完成させていくのがSNH48のやり方とのこと。

SNH48音楽制作陣の実力は、こういう地道な楽曲制作プロセスにある点は、もっと評価されるべき。

M02.光明与黒暗

作詞:郭德紫毅、作編曲:清水裕太

作編曲はSNH48楽曲ではおなじみのkoshin(胡臻)さんの音楽制作会社・上海音泰文化所属。

一曲目からのつなぎはまだドリアンだが、一転して『ガンダムSEED』シリーズ主題歌(笑)。ものすごく分かりやすいアニメのオープニング風。

本物の『ガンダムSEED Destiny』OPに合わせてみた。

中国版『機動戦士高達・種命』主題歌ということで(汗)。

(現地ファンが作ったMADをYouTubeに転載したら、使われている同アニメの映像でブロックされたので自分で作った。YouTubeで使用楽曲ではなく映像でブロックされたのは初めて。『光明与黒暗』のテンポに合わせて時間を引き延ばした以外は無加工、楽曲の方を切り貼りした)

M03.命運歯輪

運命の歯車という意味なので、こちらの方が『ガンダムSEED』の主題歌向きかもしれない。この曲も強烈に分かりやすいアニメのオープニング風。やっぱりこういう曲の方が観客のCALLは盛り上がる。

G#mからサビでBmに三度転調するのも典型的なJ-POPの作り。

ツーコーラス目終わりの間奏が、4/4、4/2、4/4、4/4と変拍子っぽくなるアレンジも手抜きなし。最後のリフレインで半音上がってCm。ベースラインや経過転調ふくめてお約束がてんこ盛りのアニソン。

M04.十洲集結

作詞:甘世佳、作編曲:清水裕太。

SNH48のここぞというときの名曲に歌詞を提供している甘世佳がこの曲で登場。

アニソン3連発。ほぼピアノ伴奏だけのサビ始まりはアニソンの合図と見ていい(汗)。

初日を見たときこのアニソン3連発が気にならなかったのは、この後のユニット曲がアイドルポップとして「異常」で、そちらの印象が強すぎたからかもしれない。

EmからサビでGmに三度転調で鉄板の展開。Bメロがバラードアレンジでミドルエイト風に入り込んでくるのは何気に美しい。こういうところも手抜きなしなのが素晴らしい。

以上、自己紹介MC前の最初の4曲にメジャーの曲がないというのもすごいが、この公演全体がほぼマイナー曲になっている。

自己紹介MCの後のユニット曲はたぶん書くべきことがたくさんあるので、上海SNH48 Team NII全曲オリジナル新公演『時之巻』感想文の第一回はここまで。

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