上海AKB48 Team SH運営会社が原告の民事訴訟判決書が情報公開されていた件

AKB48中国再上陸の上海AKB48 Team SHが原告になった民事訴訟の判決書が情報公開されていたようなのでご紹介。

SNH48運営会社は退団メンバーを相手に過去何度も民事訴訟を起こしており、その判決書もすべて公開されているが、AKB48 Team SH運営会社「上海尚越文化発展有限公司」は去年スタッフを訴えていたようだ。

その判決文はこちらの上海市高級人民法院網の判決文書検索ページで、日本からでも誰でも自由に検索でき、完全に情報公開されている。

「法院」で「杨浦」を選択、「文书类别」で「判决书」を選択、「结案日期」で2018-12-12到2018-12-14を指定して「开始检索」をクリックすればよい。

↓すると上から3件目に表示される。

判決文の画面ショットはこちらをクリック

要約すると以下のとおり。

(1) AKB48 Team SH運営会社が、とあるスタッフが雇用契約の機密保持と兼職禁止に違反したため解雇した。

(2) しかしそのスタッフが逆に、解雇は無効として労働争議の仲裁を求めた結果、仲裁委員会は解雇を違法とし、運営会社に解雇にともなう賠償金と有給休暇分の未払いの給与をスタッフに支払うよう求めた。

(3) 運営会社はこの仲裁裁決を不服とし、解雇は正当であり、賠償金も未払い給与も支払う必要はないと確認するためにスタッフを訴えた。

上記の判決文はこの(3)の裁判の判決文だ。

結論から言うとスタッフが勝訴した。つまり運営会社の解雇は不当とされ、元スタッフに賠償金と未払い給与を支払うよう命じられた。

争点は、(A)元スタッフは機密漏えいしたのか、(B)元スタッフは兼職をしたのかの2点だが、裁判所は(A)機密漏えいに当たらないし、(B)兼職にも該当しないと判断したことになる。

では元スタッフは何をしたのか。

この元スタッフは2017/02/13にAKB48 Team SH運営会社に入社して2020/02/12を期限とする有期雇用契約を結んだ。

(A)運営会社が機密漏えいだと主張したのは、この元スタッフが2018/05/07に「一期生募集に存在する問題」という件名のメールを個人のメールアドレスに転送したこと。

(B)運営会社が兼職だと主張したのは、この元スタッフが第十九回中食展という展示会の某出店企業にビジターバッジを申請し、2018/05/11に展示会主催者からビジター登録確認書を郵送で受け取った。つまりこの出展企業のスタッフとして展示会ブースで仕事をする申請をして受理されたこと。

上記判決文は、この2点は解雇の理由にならず、解雇は違法と認定した。

その理由は、まず(A)の機密漏えいについて、商業上の秘密とは、公知ではなく、商業価値があり、かつ、権利者が機密保護の措置を行っている情報に限られるため。

運営会社の上層部が日本側代表に女性グループメンバー募集についての問題をフィードバックしたメールは、商業的価値や機密保護の程度から機密と認められない。

さらに元スタッフがそのメールを個人のメールアドレスに転送した後、第三者に公開したかどうかの証拠を運営会社は示しておらず、実際に商業的な損失を受けたと認定できない。

したがって商業上の機密漏えいに当たらない、と判断された。

つぎに、元スタッフは展示会の出展企業からビジターバッジを受け取ったことは確かだが、雇用関係になったわけではない。

本業に重大な影響を与えてもいないし、運営会社が雇用関係を改めるように指導したにもかかわらず改めなかった、という記録もない。つまり運営会社は兼職である証拠を示せていない。

したがって兼職に当たらない、と判断された。

以上から、AKB48 Team SH運営会社の解雇は違法とされ、その賠償金38,921.88元(約63万円)と有給分の未払い給与1103.45元(約1万8千円)を元スタッフに支払うようにとの判決が下った。

この判決書の結果、AKB48 Team SH運営会社に違法解雇を行ったというマイナスポイントが一つ付いてしまったことになる。

「天眼查」など中国の企業信用情報サイトを検索すると分かるが、AKB48 Team SH運営会社のような未上場企業でも過去の係争の履歴がリスク情報として開示される。

そこに「違法解雇」と書かれてしまうことになる。

当然AKB48 Team SH運営会社の上層部の誰かが、この違法解雇の責任を取らされるはずだ。

また、運営会社が「其高层与日方代表就女团招募问题的反馈(同社上層部が日本側代表にフィードバックした女性グループメンバー募集の問題)」を機密だと主張したということは、運営会社にとって公開したくない「女性グループメンバー募集の問題」があったことになる。

判決書はいろんなことを伝えてしまっている。これも現地裁判所の情報公開制度のおかげ。

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