上海SNH48初の「大組閣」の人物関係を細かく見てみた

上海SNH48グループ第四回リクエストアワーBEST50で発表された「大組閣」関連について引き続き。

新しい上海SNH48各チームの新正副キャプテンのスピーチを「上田康太」さんが日本語訳して下さっているので、ご紹介。

引用元:こちらの公式YouTubeチャンネルの同リクエストアワーBEST50コンサートコメント欄

新チーム発表後の新キャプテン、新副キャプテンの発言の日本語訳です。(teamFtについてはキャプテンではなく代表という形だそうです。)

・新teamSII
戴萌「こんにちは私たちはteamSIIです。」
莫寒「私たちは家族みたいで、今回移動することになってもこれまでと同じで家族みたいに歩いていきます。これからも私たちteamSを応援してください。どこにいても私たちの中では同じチームのメンバーです。永遠に家族です。」

戴萌「移動することになったのは意外なことだし、新しいメンバーが来るのは知っていたけど、いなくなるメンバーがいるなんて思いもしませんでした。私たちは永遠にteamSIIです。」

・新teamNII
易嘉愛「私はteamNIIのキャプテン易嘉愛です。これまでのteamNIIへの応援ありがとうございました。この結果は皆さんにとっても意外だったと思いますし、私にとっても意外でした。みんなが私たちにこの重役を託してくれたので、私も全力でこのチームを引っ張っていきたいです。成長、進歩を続けていくのでこれからもteamNIIを応援してください。元teamNIIのメンバーも、これからのteamNIIのメンバーも、どんどん良くなると信じています。」

何曉玉「私は何曉玉です。私が一番言いたいことは、私たちの友情はどこに行っても変わらないということ。これからteamNに入るメンバーも将来のteamNIIと一緒にお互いに助け合っていきましょう。私たちに自信を、応援をお願いします。」

・新teamHII
萬麗娜「私たちはteamHIIです。私たちteamHにとっては大きな出来事で、短い時間で慣れることはできません。だけど努力すればだんだんといい関係になっていけると思います。以前のような姿を見せられると思います。どのメンバーにもまだまだ可能性があります。皆さんその可能性を信じてください。」

・新teamX
李釗「teamXはずっと元気で青春でエネルギーに満ちたチームでした。私を信じてキャプテンにしてくれた会社に感謝します。私たちを信じてくれたみんなありがとう。この組閣で離れるメンバー人も加わる人もいますが、杨冰怡と二人でteamXを成長させ続けていきます。」

楊冰怡「私を信じて副キャプテンにしてくれてありがとうございます。今はみんな驚いてて心配事もあると思う。だけど私を信じてください。これからはもっと厳しく自分を律して、李釗と一緒にteamXを成長、前進させていきます。加わる人もほかのところに行く人も一緒に頑張りましょう。みんなteamXの一部分です。」

李釗「teamX頑張ろう!」

・TeamFt
李宇琪「希望に満ちたこの後輩たちを私たちに託してくれてありがとうございます。9期生はみんなすごい子たちらしいですし。将来彼女たちと一緒にSNHをよりよくしていきたいです。これからはteamSIIとteamFtの李宇琪です。新人teamFtをよろしくお願いします。」

劉佩鑫「スピーチをすると思っていませんでした。今日のこともさっきやっと知りました。teamNIIとteamFtを兼任するって聞いたときは怖かったです。二つの公演に出てそれからチームのこともあるってやっていけるのかなっとおもって。この髪は今朝染めたんですけど、オレンジに。だけどもうオレンジとは関係なくなるかもしれません。新しいチームに入るにあたって、新しいチームの努力をみんなに見てほしいです。これからもSNHを応援してください。私たちはよりよい今後ためにこうしようって決めたんです。」

なお、この後の阿吉の発言によると、きょう名前を呼ばれなかったメンバーは今後加入する10期生と一緒に研究生チームに入り、公演をして成績が優秀だったメンバーから正式メンバーに昇格していくそうです。

ここから「大組閣」発表時のハイライト。コメントは写真の下に付ける。今回の「大組閣」は姉妹グループは無関係なので、以下すべてSNH48の各チーム。

まず新チームSIIの発表。

チームXから唯一チームSIIに移る五期生アキちゃん(劉增艶)がうなだれながら歩いてきたのを、抱きとめる一期生マオマオ(李宇琪)。

チームXから唯一チームSIIに移る四期生CoCo(邵雪聰)がチームSIIの方に行こうとするのを、いったん引きとめるダートウ(陳琳)。このあとCoCoをしっかり抱きしめる。

もう一人、チームHIIから唯一チームSIIに移るイーレン(徐伊人)を抱きとめるマオマオ(李宇琪)。マオマオは後輩に対する面倒見の良さがはっきり現れている。

新チームSII正副キャプテンは変わらずダイモン(戴萌)とmomo(莫寒)。一期生のこの2人のきずなは固い。

今回「予備生」でなく正規メンバーとしてチームSIIから他のチームへ出ていったメンバーは一人もいなかった。チュエチュエ(成珏)、ピンキー(潘燕琦)、いちご(温晶婕)は残念ながら「予備生」の降格。

次に新チームNIIの発表。

中央で大泣きしているのはチームHIIの郭倩芸。八期生としてチームHIIに入団し、まだ一年も経っていないのにチームNIIに行くことになったため。とても心細いだろうと思う。

分かりづらいが、チームNIIメンバーの発表なのに、シャオスー(林思意)、ナナちゃん(萬麗娜)の名前が呼ばれず、他チームへの異動が決まったため、2人を囲んでチームNIIメンバーが大泣きしている。

シャオスーの向こうに立っている李藝彤も名前が呼ばれていないが、誰も構っていない。

新チームNIIの正副キャプテン、ナナちゃん、シャオシャオ(何曉玉)。

ここから新チームHIIの発表。

この部分はびっくりした。チームNIIから異動になった李藝彤(右から2番め)。平静を装っているが内心そうでないのは見れば分かる。

その彼女がチームHIIへやって来たとき、チームXIIからチームHIIに異動になったニモ(費沁源:いちばん右)が彼女に微笑みかけて、彼女の手を握ったのだ。ニモの方が6歳年下。

この後も最後までニモはずっと笑顔を絶やさない。外見の「可愛らしさ」とは逆にどれだけ強んだろうと驚いた。彼女は入団してから一つも醜聞がないし、これこそアイドルという感じ。

三期生チームHIIくまちゃん(李清揚)。名前が呼ばれず、チームHIIを離れると分かって泣いている。チームHIIは三期生デビュー時に結成されたチーム。結果的に彼女は「予備生」降格になってしまった。

彼女のようなほんわかした癒し系キャラが正規メンバーになれないのは、上海SNH48のカラーかもしれない。強くなければ生きていけないというか。

新チームHII正副キャプテン、ナナちゃん、ナナコ(張昕)。現地ファンの誰かが「ナナちゃん、大人になったなぁ」と書いていたが、たしかにナナコより2つ年下で20歳。

元チームNIIの可愛い系正統派アイドルが新チームHIIを背負って立つことになった。たしかに大人になった。

新チームHII正副キャプテンのスピーチが終わってから、泣き崩れるシャオスーと、それをいたわる李藝彤

なぜシャオスーがここまで泣き崩れるのか。彼女はSNH48の「外務組」と呼ばれていて、ふだん劇場の定期公演にめったに出演せず、外でさまざまなネット映画・ドラマ撮影に参加するのがメインの仕事になっている。

つまり「帰る家がなくなった」という状態。新チームHIIはほぼ旧チームHII、旧チームXIIの混成となった。これから久しぶりに劇場に戻ってきても、周囲にいるのは馴染みのない顔ばかりということになる。

ましてチームHII公演の振付けと歌を一から覚える時間の余裕は、彼女にはほとんどない。運営会社はもしかするとこのまま彼女を女性俳優の仕事メインにするのかもしれない。

ここからは新チームXの発表。

チームXは結果的に離れたメンバーはCoCo(邵雪聰)一人だけ。他はチュンチュン(姚禕純)、孫亞萍が「予備生」降格になった。

新チームX正副キャプテン、桃子(李釗)、スイスイ(楊冰怡)のスピーチ。桃子が大人っぽく見えると言っても今年20歳。

副キャプテンのスイスイは最近もっぱら「Color Girls」の「顔面偏差値」を一人で下げているとディスられているが、17歳でここまで頑張っているのはすごい。

この時点で新チームの「チームFt」か「予備生」降格かしかなくなり、泣いているチュンチュン(姚禕純)をなぐさめる同じチームXメンバー。彼女もまだ17歳だ。

この画像のポイントは、新チームX正副キャプテンのスピーチではなく、左後ろに写っている一期生チームSIIチェンスー(陳思)。

このときチェンスーはティッシュの箱を持って一つずつチームを周り、泣いているメンバーにティッシュを渡しているのだ。

彼女は以前からここで書いているように、SNH48が結成されたばかりのころ、彼女個人にスポンサーが付いたおかげで初期の営業のお仕事を軌道に乗せることが出来た、功労者。

今年27歳だが無事チームSIIに残った。こういうメンバーをないがしろにすれば、それはたぶんSNH48の終わり。

最後に新たに結成された「チームFt」の発表。

「チームFt」は後ろに並んでいるグレーの制服の九期生がメイン。「Ft」はFutureの意味。キャプテンではなく正副「代表」に任命されたのは、左のマオマオ、右のオレンジの髪のユーちゃん(劉佩鑫)。

ユーちゃんがなぜ突然オレンジの髪になったのか、上田康太さんの日本語訳を読んでやっと分かった。チームHIIのチームカラーだからだ。引き続きチームHIIで頑張るつもりで、朝、髪をオレンジ色に染めたが、結果的にチームNIIに移ることになった。

ふだんボーイッシュなキャラの彼女がスピーチの途中で「teamNIIとteamFtを兼任するって聞いたときは怖かったです」と話したときに、マオマオが彼女の肩を抱いた。

そしてスピーチが終わった後、このチームの「代表」になったマオマオは九期生を一人ずつハグした。本当に彼女は後輩思いだ。

それには理由があって、SNH48一期生としてデビューした当時、彼女はダンスに自信を持っていたにもかかわらず補欠メンバーになった。そこからチームSIIでダンス担当の正規メンバーになった。

デビューしたばかりのメンバーの不安を、いちばんよく理解してあげられるメンバーの一人が、彼女であることは間違いない。

マオマオは同じ「チームFt」の兼任になったダートウも歓迎。ダートウは7SENSESメンバーとして韓国でダンスの特訓を受けたメンバー。マオマオは個人でダンススタジオに通って、今もダンスの技術を磨いている。

この2人がいれば、九期生のダンスのレベルは確実に上がるはず。

舞台の去り際に旧チームNIIメンバーが最後にそろって深々と観客にお辞儀。SNH48グループが劇場外の仕事に行くと、異常に礼儀正しいと出演者やスタッフに驚かれることがあるらしい。

日本の48系とは縁が切れたが、礼儀正しさがしっかり受け継がれていることを日本の48系・坂道系ファンに知ってほしいと常々思う。

そして最後の最後にカチューシャ(李藝彤)が顔をおおって泣き崩れた。後ろから慰めているのは2.5期生のオレンジ(陳問言)。オレンジはチームNIIに残った。

カチューシャは孤独だ。

もともと補欠メンバーから総選挙第2位まで成長した彼女は、キクちゃんが卒業してピンで活動するようになった今、自分が嫉妬と反感を簡単に買ってしまうトップの位置に上り詰めていることに、本当に気づいていないんだろうか。

よほど慎重に行動しないければあっという間に好感度が下がって、あとはランクを落とすしかないことに、本当に気づいていないんだろうか。

今回の「大組閣」で唯一消滅したチームXIIメンバーも、客席に向かって深々とお辞儀。

チームXIIでデビューした五期生は、人気メンバーのDDD(段藝璇)、ハナちゃん(謝蕾蕾)があえて北京、広州の新しい姉妹グループに移籍させられることで、SNH48グループ全体の拡大に貢献している。

上海に残ったチームXIIはと言えば、シャンシャン(姜杉)がファンと私的に連絡をとって処分され、パパ(洪珮雲)は男性含む友人たちと旅行に出かけたり、自由な行動を必要以上に非難されたり、アキちゃん(劉增艶)は「アンチ」に挑発的で特に何もなくても叩かれたり、チーム全体がいつまでたっても人気が出ないとチームごと叩かれたり…。

全曲オリジナル新公演『コードXII』も出来がヒドすぎるを叩かれ、すぐに『コードXII 2.0』に一部改編されたり。

唯一、ニモ(費沁源)が劇場でも外の仕事でもカンペキで順調なこと以外、何だか良いことが一つもなかった印象がある。だから解体されたんだけれど…。

ということで、独断と偏見で「大組閣」を振り返ってみた。

48系に限らず、少なくとも5人以上いるアイドルグループは、おそらくすべて「物語消費型」のエンタテインメントと言える。

エンタメとしては歌やダンス、楽曲やパフォーマンスも必要だが、それ以上に「物語」が重要な要素になっている。

メンバーのキャラ設定、異なるキャラクターどうしの人間関係、対立、和解、毀誉褒貶ふくめ、現在進行形で起こっている出来事を、リアリティーショーやドラマを観るように「消費」するのがメインだ。

なので過去から続いている「物語」が分からない人が入って来ても、ここで起こっていることの何が面白いのか理解できず、ただ目の前に大してダンスも歌も上手くない少女たちがいるだけ。

オーディション番組のリアリティーショーは中国にも『超級女声』など十年前からある。

しかし多人数のメンバーからなるグループが仲間でありながら競い合うという、物語消費型のアイドルグループは最近人気の男性アイドルグループのオーディション・リアリティーショー『偶像練習生』でようやく定着してきた感じがする。

実は2016年初めに放送されたSNH48メンバー出演で、ネットと上海東方衛星テレビで放送された『国民美少女』もこの「物語消費型」アイドルグループを通りすがりの一般人にある程度訴求できていた。

『国民美少女』を観てSNH48を好きになった現地ファンは少なくない。

この300人強のアイドルグループが、単に人数が多いというだけでなく、そういう楽しみ方をしないと逆に大の大人には楽しめないエンタメであることを理解する人が、どれだけ順調に増えていくか。

そこにSNH48のような育成系グループの将来がかかっている気がする。

「大組閣」という仕掛けは、「物語」に強度を与える有効な手段の一つであることは間違いないが、残念ながら『国民美少女』と違って、ファン内部でしか消費されない「物語」にとどまっている。

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