広州GNZ48チームZ全曲オリジナル公演『三角関数』不動のセンターは「箱」

広州GNZ48チームZとして初の全曲オリジナル公演『三角関数』が2018/01/12(金)夜公演で初日を迎えた。

公演全編の映像はこちら。

1曲ずつ独断と偏見でコメント。作詞・作曲者の順。

M01.SINgle 黄枫宜/Mcflied Chicken

三角関数ということでタイトルにSINがある。南部都市職業訓練学院(もちろん架空の学校)に入学して新しい学校生活が始まる。全員カバンを持っているのはそのため。

タイトルの意味は自分自身の一人の夢でも、みんなでいっしょに歩めば頑張れるということだろう。衣装に星のプリントがあるのは、サビの歌詞に「流星といっしょに勇気を出して前に進もう Try again!」とあるため。

入学初日という設定なので、曲の最後にキャプテン・ナイピン(農燕萍)と副キャプテン・ルイツ(龍亦瑞)がメンバーの出席をとる。

M02.COSplay 三本目/Mcflied Chicken

この曲ではメンバーがそれぞれ違う小道具で登場。校門に入ってくる学生の服装をチェックするのは、ワンツー(王秭歆)先生。エイプリル(王偲越)も公演予告編映像と同じく先生役。

この公演で研究生から正規メンバーに昇格した三期生のうち、ヤオヤオ(何夢瑤)は優等生役。他にもバスケットボール、野球など。

ピカ(陳梓熒)は新体操だが、彼女は入団前、もともと体操選手。

バトンが上手いのは三期生アリサ(梁婉琳)。

Aki(張秋怡)が手品で取り出しているのは孫悟空の如意棒。この部分の歌詞は「今をしっかりつかんで明日を変えよう、孫悟空の変身術を真似して」。

その後、あーみゃお(杜秋霖)がボクシング、三期生メロディー(畢瑞珊)がヌンチャク。ルイツ(龍亦瑞)がなぜか出前の配達員、アルパカ(楊可璐)が料理人。

三期生フォーフォー(余芷媛)は民族舞踊。

3曲目の前は衣装替えの時間つなぎの間奏。

M03.試試吧 呂孝廷/呂孝廷

このタイトル「試試吧」は「やってみよう!」の意味だが、中国語読みでは「Shi Shi Ba」で「48 Si Shi Ba」とダジャレになっているとは気づかなかった。

冒頭の「Forty Eight」がバックビートで、客席のMIXとタイミングがピッタリ合うのが新鮮。

最初の2曲の衣装も、ここで2着目の衣装も、やはり広州GNZ48衣装部のセンスが光っている。舞台衣装だからといってムダに派手な色使いではないし、芸が細かい。この曲の衣装の上半身はグラフになっていて、二次曲線などがプリントされている。襟にプリーツがある凝ったパターンの衣装もある。

このシエちゃん(陳桂君)のグラフはy=√xだが、正しい(笑)。

他はy=x^2、y=x^3*3だろうか。3パターンのようだ。

M04.三角関数 黄枫宜/PROJECT M

公演タイトル曲。Aメロ、Bメロがマイナーコードで、サビでメジャーに転調するのが気持ちいい曲。

↓昇降台がない広州GNZ48劇場で、こういう演出をするために箱を使っているわけだ。

このあたりの曲の歌詞はすべて学校生活と、試験や数学に、恋愛関係をかけた内容。

以下のフォーメーションの意味を誰か教えてください(汗)。順にy=sin(x)、y=cos(x)、y=tan(x)、y=cot(x)のようにも見える。

ここからはユニット曲。

M05.専属位置

冒頭左から広州GNZ48一期生ピカ(陳梓熒)あーみゃお(杜秋霖)、三期生アリサ(梁婉琳)フォーフォー(余芷媛)。三期生で人気上位2人が一度に登場するのは、ややもったいない。

↓ピカ、あーみゃお

↓アリサ、フォーフォー

箱で作った壁の後ろで「階段」の昇り降りをやるのはよくある演出。舞台は一貫して学校で、学校にエスカレーターはない。

M06.同行

この曲はファン投票で毎回『同行』と『結伴』のどちらかになる。今回は『結伴』ではなく『同行』が選ばれたので、『結伴』は12曲目の16人全員曲になった。

広州GNZ48オリジナル公演で定番の「百合三角関係」曲。公演タイトルが「三角関係」なので。

↓一期生アルパカ(楊可璐

↓三期生ヤオヤオ(何梦瑤)

↓一期生ルイツ(龍亦瑞

最初はアルパカ、ルイツがカップルでヤオヤオがフラれるが、アルパカがヤオヤオに告白して、最後はルイツがアルパカに、アルパカはヤオヤオに、ヤオヤオはルイツに引かれたまま、バラバラに舞台からはける。

まさに三角関係。ただ、これが16人曲になったらどうなるのか、まったく想像できない。

M07.Universe

SNH48グループ劇場公演のトークコーナーで、メンバーが下ネタを話し始めることを、現地ファンのスラングで「開車(車を運転する)」という。ときどき制限速度をオーバーすることもる。

この曲はそのとおり、車を運転する場面から始まる、セクシー系の曲。

↓左からアキちゃん(張秋怡)ワンツー(王秭歆)ナイピン(農燕萍

M08.NaCl

この曲もファン投票で『NaCl』か『不秀鋼(ステンレス)』のどちらかから決まる。今回は『NaCl』がユニット曲になったので、『不秀鋼』は13曲目の16人全員曲になった。

最初はデュエット曲かと思ったら、途中からもう2人出て来て、2組のカップルになる。遠距離恋愛の曲。最近の上海SNH48の全曲オリジナル公演『第48区』の『愛未央(愛は終わらない)』など、伴奏がシンプルでしっとりした大人っぽい曲。

明らかに上海SNH48チームNII全曲オリジナル公演『以愛之名(愛の名において)』の『未接来电』を意識している。

「まるで化学反応みたいな感じがする」という歌詞のようにNaClは塩化ナトリウム。ステンレスに触れると腐食するおそれがあるが、「あなたの思い出にはもう触れたくない」「独りで閉じこもった部屋は味をなくした塩みたい」「化学反応が止まってしまった理由は何?」という歌詞。

現地ファンの一説には「塩化ナトリウム」の「塩化」の中国語「氯化 lv4hua4」が「緑化」と同じ発音で、ネットスラングで「浮気される」意味のシャレにもなっているのでは、という深読みもある。

↓最初の2人は左から、エイプリル(王偲越)、チョンチョン(王炯義

ただ、ご承知のように48系の用語で「塩対応」というのは冷たく見えるけれど、内心はそうではないという意味。ここでの「塩 NaCl」は多義的。

次に登場する2人は黒い服が三期生メロディー(畢瑞珊)、白い服がチャーフェイ(王翠菲)。メロディーは学校の専攻がダンスなので、非常にキレがある。

↓左から、エイプリル、メロディー、チャーフェイ、チョンチョン

中央、電話のある壁を挟んで、それぞれ遠くにいる相手を思いながら、その相手に似た新しい相手と付き合うが、やはり本当の思いを捨てきれない、といったストーリーだろうか。

中央にある壁は電話があるので、会いたくても会えない遠い距離を表していると思ったら、最後に扉が開いて2人が再会するという演出がなかなか良い。

この公演全体を通してだが、チョンチョン(王炯義)の存在感が光る。

この曲も16人曲のパターンはどうなるのか、まったく想像できない。

M09.就差一点点

「ほんのもう少し」くらいの意味。中国古典風の伴奏とポップスのミックスが好評のようだ。女性役がシエちゃん(陳桂君)、男性役がサークル(楊媛媛)。

本来、ユニット曲が終わるとトークコーナー(MCコーナー)に入るが、この公演では切れ目なしに次の2曲がつづく。

『双面偶像』でもそうだったが、広州GNZ48の全曲オリジナル公演はAKB48グループの伝統的な公演構成を、少しずつ壊している。いわゆる「創造的破壊」というやつだろうか。

M10.模範生 三本目/Shaliponte

「完璧な芸術品のように立っていなきゃいけない/機械みたいで生きてないみたい/熱い心も体の中に閉じ込めて/心で泣いても誰が気にしてくれるの/夢を握りしめていても/選択肢がないことに気づく」

この曲の衣装のブラウスに歌詞がそのままプリントされている。

48系の曲で秋元康がよく書く歌詞のパターンで、アイドルらしさの枠にはめられることを否定する内容。こうしてSNH48グループのオリジナル公演でパロディーにされるくらいなので、秋元康はこの種の、何の独創性もない歌詞を書くのはやめた方がいい。「僕は嫌だ」とか(汗)。

M11.2024年2月29日 田納/OKBOYS

この曲はファン投票で『2019年2月28日』『2024年2月29日』『2028年2月30日』の3曲から決まる。初演1日目は『2024年2月29日』。

曲の末尾の振付けが、曲の冒頭の振付けの逆回転になっている。振付けはチームG『双面偶像』の名曲『Gravity』と雰囲気がとても似ている。公演全体でこの曲が軸になっているのは間違いない。

歌詞全体の意味は、今の私がこれほど不幸になったのは、決してあなたのせいではなく、すべて自分の過ち。

ポイントは曲後半のブリッジ部分の歌詞。

四年前的你是多么可爱我为你着迷
四年前的我为何对你疯癫痴狂是个谜
放课后结伴同行 专属位置留给你
就差一点点的记忆
要如何忘记就忘记

四年前のあなたはあんなに可愛くて 私は夢中になった
四年前の私がなぜあなたに狂ったように夢中になったのかは謎
放課後いっしょに帰って 私だけの場所はあなたに取っておいた
もう少しだけ記憶が足りなかっただけ
どうやって忘れれば忘れられるんだろう

「结伴」「同行」「专属位置」「就差一点点」と、ユニット曲の曲名が4曲も現れている。

そして「四年前」とあるが、『2019年2月28日』『2024年2月29日』『2028年2月30日』の3曲で「四年前」が成立するのは『2028年2月30日』から『2024年2月29日』を見たときだけ。

つまり『2028年2月30日』のバッドエンディングから『2024年2月29日』の過ちを振り返っているのが『2024年2月29日』の歌詞ということになる。

他の2曲『2019年2月28日』『2028年2月30日』の歌詞がどうなっているのか楽しみ。

この曲の振付けで特徴的なのは下図の部分。

ここまでやるとこっ恥ずかしいのではないかという意見もあるが、公演全体でこれくらいの見せ場がないとダメでしょう、というふうにSNH48グループ全体の振付けのボトムラインを持ち上げている。

M12.結伴 三本目/金源奕、朴志娟

この曲もファン投票でユニット曲か16人曲か毎回決まる曲。今回は16人曲。いわゆる洗脳曲。この手の曲は楽しければOK。

M13.不秀鋼(ステンレス) 田納/金源奕、朴志娟

この曲もファン投票でユニット曲か16人曲か毎回決まる曲。今回は16人曲。

箱を活かしたタテ方向の舞台演出が光る曲。冒頭、ただでさえ長身のチョンチョン(王炯義)が箱を積み上げたいちばん上に座っている。

間奏部分で定番の床寝そべりダンス。

『NaCl』が遠距離恋愛の心の弱さを歌っていたのと対照的に、この曲は孤独な戦いを貫く強さをステンレスに例えているようだ。

ここでアンコール。

M14.聚変裂(核融合核分裂) 楊彤/Shaliponte

セットの箱がここでようやく光る(笑)。電池を積んでいるんだと思うが、可動式の照明というのは素晴らしいアイデア。

で、現地ファンの中に、下図のフォーメーションは核分裂と核融合のメタファーじゃないかと書いている人がいた。面白い見方だ。

ところで、この種のロングブーツで軍服風の衣装を見ると、何でも坂道系のパクリだと言い、「万物の期限は坂道系だ」と言いたがる中国人に、日本人として感謝していいのかどうか分からなくなる(笑)。

M15.Zen 三本目/Shaliponte

テンポが早く、何気にものすごい運動量のダンス。ワンコーラスめの「去到达终点」では跳び上がりながら回転している。

この曲でも箱の踏み台が大活躍だが、逆に昇降台(いわゆる「せり」)よりも可搬性のあるこの箱の方が素早い転換ができるので、演出として頭のいい方法かもしれない、とさえ思えてくる。

この曲名、日本人には「禅」だとすぐ分かるが、中国語で「禅」は「chan2 チャン」なので実は分からない。

歌詞には「頓悟」「(緣起)緣滅」「(如露亦)如電」「歷劫」など仏教に関する単語が散りばめられており、明らかに「禅」を意識した曲になっている。

こういうよくよく調べないと分からない仕掛けがあるのも、広州GNZ48オリジナル公演の特徴。

M16.Z You Again 黄枫宜/RICK NEGAN

個人的に最後の曲は気分を落ち着けられる曲が好きだけれど、この公演の最後の3曲はどれも「燃える」系の曲。

この後光が差す演出も、箱なら置く場所を自由に決められるからこそ。

分かりづらい振付けだが、指で三角形を作ってから・・・

それが「Z」の文字に変わって終曲。

そして一つ前の記事にも書いたが、1曲目の『SINgle』の冒頭に戻る。

そして最後は公演の最初に戻って「RESTART」で次回の公演につづく。

楽曲はほぼすべて典型的なJ-POPスタイルのアイドルポップスで、極端に重いロックや、HIP HOP、Jazzy寄りの曲もなく、平板といえば平板だが、広州GNZ48らしい正統派の作風。

上海SNH48、北京BEJ48、広州GNZ48、派生ユニットそれぞれの作風が固まってくれば、一途でない(笑)ファンにとっては選択肢が増える。

それに、48系を知らない現地の通りすがりの若者もファンになる可能性が高くなるということで(楽観的過ぎ?)まあ良いんじゃないんでしょうか。