SNH48運営会社CEO曰く、今年はK-POP風のオリジナル曲もやります

上海ローカルのビジネス情報サイトにSNH48の記事が掲載されたようなので、例によってスピード優先で細部の正確さにこだわらずに試訳する。元の中国語記事はこちら


O2Oスタイルのアイドルを創り 3チームを実現
上海SNH48デビュー一年で爆発的な人気を勝ち取る

(訳注:「O2O」は「Online To Offline」の略。インターネットから実体店舗へ誘導するマーケティング戦略のこと)

2014年2月8日夜、上海虹口区ミュージックバレーにあるSNH48星夢劇院には人が押し寄せた。24名の美少女が劇場の舞台に立つと、会場全体から歓声が沸き起こった……これは上海の大型アイドルグループSNH48の午年新年最初の劇場公演。劇場内外で非常に高い人気で、弊紙の記者はすでにSNH48の感染力を深く感じた。


デビュー一年後の新年初公演は依然として空席がなく、その爆発的な人気を見ると中国に導入されたこのアイドルのスタイルについて深く理解できる。新年の初めに、SNH48の責任者に弊紙が取材した。

一年で6大都市巡回公演を達成

SNH48はアジア地区で爆発的な人気のある日本の大型アイドルグループAKB48の上海姉妹グループだ。AKB48は10億ドルの売上を達成し、さらに上海のSNH48のため中国市場に予熱を与えてくれた。デビューしてたった一年の大型アイドルグループは、この一年間いったいどのような表現をしてきたのだろうか。

(2014年)1月18日、SNH48上海大舞台でデビュー一周年記念コンサートを開催。ほぼ満席の満席率はここ数年上海大舞台でコンサートを行った新人アイドルとしては優れた成績だ。このことから分かるように、一年間の中国本土化のビジネスモデルはすでに成果を見せている。

現在、SNH48は全部で48名のメンバーで、チームSIIとNIIに分かれ、それぞれ24名ずつ。チームSIIは基本的に一期生を主とし、チームNIIは基本的に去年9月に募集を完了した二期生を主としている。1月18日のデビュー一周年コンサートで、三期生募集を開始、5月までに募集を完了した後、SNH48全体は3チームの編成となり、チームS、N、Hが正式に結成される。

関係者によると、2013年1月12日のお披露目公演から今に至る一年間で、SNH48は上海の他に広州でも一万人規模のコンサートを開催、6大都市の巡回公演も成し遂げている。その間3枚のEPを発売し、4本の大型MVを撮影、PVはさらに十本近くを撮影した。去年12月上映のデジタル映画『半熟少女』は、すでに各種動画サイトで人気となっている。第6回音楽風雲ランキング新人盛典で、SNH48は「最も潜在力のあるグループ賞」を受賞している。

(訳注:大型MVとPVの区別が分からないが、SNH48は日本で言うPVに当たるものとして、『ヘビーローテーション』メイキング版、『ヘビーローテーション』正規版、『16人姉妹の歌』、『RIVER』、『桜の木になろう』、『ポニーテールとシュシュ』、『フライングゲット』、『恋するフォーチュンクッキー』クリスマス版を公開済み。10本近くは誇張か)

設備の面では、上海宝山区に位置する4000平米以上の大型育成基地をすでに運用開始している。この育成基地はレッスン、撮影、宿舎が一体となっており、今後のSNH48全体の運営に利便性をもたらした。

2013年8月30日、SNH48専属劇場「星夢劇院」も営業を開始、今に至るまで100回近く公演が行われている。劇場の運営こそが当初SNH48が標榜していた「会いにいけるアイドル」のコンセプトを本当に実現するものだ。

「現在、weibo(訳注:中国ツイッター)のフォロワー数は100万を超えており、公式ファンクラブのファン数も20万に達しています。この一年の運営状況からして、私たちはやはりとても自信を持っています」と、SNH48社長の陶鶯(タオ・イン)氏は語る。

SNH48は一年目に飛躍的な成長を遂げ、CDを発売し、劇場公演を行い、コンサートとライブ、デジタル映画を発表し、グッズ販売も全面的に開始した。そのようにして、SNH48は中国国内の運営モデルとして最初の例となり、国内で初の試みを行っているマネジメント会社として、ずっと手探りで進んできた。

CD販売はネット経由が主

SNH48はAKB48の「会いにいけるアイドル」というスター育成理念に基づき、中国本土化した女性アイドルグループを作り出している。アジアのバラエティー番組の有名プロデューサであり、作詞家でもある秋元康氏が総監督を担当しており、運営においては基本的にAKB48の運営モデルの延長線上にある。その中には「会いにいけるアイドル」というコンセプトの提唱や、メンバーどうしが競争して勝ち残る制度と研修制度などの内容も含まれる。

SNH48はAKB48と定期的に相互の活動をしており、例えば去年6月のシンガポールでのファッションショーでは、AKB48メンバーと同じ舞台でパフォーマンスを行った。2013年のAKB48総選挙では、SNH48も現地に招待を受けて本部と交流し、AKB48の東京ビッグサイトコンサートにも、メンバーが研修、見学、学習のために派遣された。

楽曲の発表について、陶鶯CEOの紹介によれば、AKB48は現在までオリジナル曲が1000曲近くあり、SNH48はそのレパートリーを直接使用できる。その中には売上100万枚クラスの大ヒット曲も豊富にあり、国内でSNH48にならぶ速度で楽曲をリリースできるグループは一つもない。

AKB48はSNH48のために良好な基礎を与えてくれているが、SNH48の一年間の発展の過程を見ると、中国「本土化」のため運営の改変が少なからず加えられている。たとえばAKB48は東京都千代田区秋葉原の劇場から活動開始しているが、SNH48は初期から地域の制限を抜けだして、インターネットで活動を始めている。

「私たちのCD販売は、伝統的な販売チャンネルではなく、すべて我々自身のオンラインショップでの販売です。このようにCD販売の状況を管理することで、中国国内第一線のCDを販売量よりわずかに下回るレベルの販売量を達成できました」。

陶鶯CEOが振り返って語るところによれば、一枚目のCDを発売したとき、同社は市場調査を行い、従来の発売方式をとった場合、SNH48にとっては利益が得られず、逆に持ち出しになるということがわかった。

関係者によれば、現在SNH48のCDの主要部分は自社運営のオンラインショップで販売され、少量はオフラインのサイン会で販売されている。このように中間流通を排除することで、SNH48運営は優れたキャッシュ・フローを得ている。

販売制度の上で、SNH48は通常は予約制度を採用しており、基本的に予約期限の3日前にその回のCD枚数を決定できる。「オーダーメイド」式のCD枚数で、SNH48は不必要なコスト支出を節約でき、しかも「売り切れ」という良い宣伝ができる。そうして次回のCD販売予約を勢いづけることができる。

劇場開業で遊撃戦にピリオド

この一年間で、CDの発売方式の新たな試みによって、SNH48は一つの優れた収入経路を開拓した。ただし「会いにいけるアイドル」という方式に基いて作られたグループとして、SNH48が直面した最大の困難は、去年専属劇場が開業するまでの期間だった。その期間、SNH48はまだ投資期間の前期にあり、劇場などの設備はすべて運営をまだ開始していなかった。

メンバーたちはまだ固定の上演場所がなく、期限付きで場所を借りてパフォーマンスやファンミーティングをすることしかできなかった。「このことによってSNH48の一期生は、まず実戦演習の回数が限られ、現場でファンからフィードバックを受けることで成長する機会を失うことになりました」。陶鶯CEOは、実際に劇場公演に出演することが一種の育成方式であり、観客が参加することはゲームのお試し期間のようなものだと語る。

公演での実戦が足りないし、メンバーを気軽にバラエティー番組に参加させることもできず、このような半ば動きを封じられた「自助努力」は、SNH48運営にとっても少なからず心理的なプレッシャーになった。AKBの活躍との比較で、心理的な予期を抱かせることになった。

また、外部に会場を借りる場合、ファンと対面することはできるが、全体的な利便性は劣り、同様に3000人の活動を、外部の会場で行う場合は関連部門への許可申請が必須となるため、その許可申請にかかる時間のために、活動全体の回数が制約されていた。

「劇場の開業後も、同じように1000人規模の活動は、同じ日に数回に分けることで解決できますが、このように時間が分かれると、一回あたりの人数規模が低下します」。陶鶯CEOが記者に語ったのは、(訳注:劇場開業後は)一定人数については許可申請の手続きが免除されただけでなく、運営もより柔軟に、演出のコントロールもやりやすくなり、ファンのライブ体験もより良くなったという。劇場が出来てからは、忠実なファンの人数はすでに倍に増えている。

メンバーの育成については、日本側運営の方式と指導があるが、一期生が結成されたとき、SNH48全体のレッスンはまだ模索段階にあり、レッスン内容、人員もまだ未完成で調整中だった。二期生と比べると、一期生メンバーには専門的な特技を持つメンバーが少なく、このこともまだ教育体制が不完全なSNH48にとって一大挑戦だった。

毎回のレッスンの過程で現実に起こった問題は、すべてその後の重要な基礎になった。この一年の発展を通じて、SNH48はすでに中国本土化の特色のある教育チームを作り上げ、募集から、フルセットの育成方式、公演のアレンジに至るまで、すべてを教育チーム内で決めることができるようになった。

ネットO2Oアイドル方式の深化

いまSNH48は設備面ですでに投資を完了し、2014年はより多くの資金を運営と制作面に投じる予定だ。

記者の理解したところでは、2014年にSNH48は楽曲選択の上でAKB48楽曲をカバーする方式から抜け出し、発表予定の200曲のうち、主要なものはオリジナル楽曲となり、さらに韓流などの異なるスタイルも試みるという。SNH48のCD販売はネット依存でもなお好成績だが、今後CD販売はSNH48の主な収入源にならないという。

劇場公演についても、自社運営のネット上での実名制購入方式だけでなく、SNH48は公演体験の回も設け、一部のチケットをオンラインチケット販売会社からも発売する予定だ。それによってファンではない人たちにもSNH48のライブ演出を体験してもらおうとしている。

「2014年、私たちはオンライン劇場を発表します。現時点はまだテスト段階です」と陶鶯は語る。オンライン劇場のコンテンツは見かけほど単純ではない。

全国に多くのファンがいるため、各地のファンがより体験と交流ができるようなプラットフォームにするため、SNSに基づいたコミュニティーサイトになっている。このサイトはファンの好みに基いて、関連するアイドルの情報コンテンツを送信し、また、同じアイドルのファンどうしがネット上で互いに交流できる。サイトのベータ版を運用した後、将来はSNH48の公式サイトに合併される予定だ。

実際、SNH48はメンバー募集から、運営チームはインターネットを十分に利用している。2014年の発展計画の中で強化されるのは、「会いにいけるアイドル」のSNH48をより「O2Oアイドル」の特質にフィットさせることだ。

SNH48のファンは基本的にすべて自社運用の掲示板、公式サイトのプラットフォーム、およびweibo(訳注:中国版ツイッター)とWeChat(訳注:中国版LINE)に集まっている。そして現在、絶えずインターネットとの提携を強化しており、まず現在の中国のファンのネット利用の習慣からは離れられない。

次に、発展のシナリオから考慮されたこともある。初期はこのような方式がもたらす発展性を見出せなかったが、いったん運用が一定規模に達した後は、自社運用のオンラインプラットフォームが打ち建てたアピール率と実際のリーチ率は非常に高くなっている。

全世界のレコード業界はここ数年巨大な打撃を受けており、業界全体がアルバムを唯一の楽曲の拡販プラットフォームとする時代はすでに終わっている。インターネットによって音楽を入手する利便性と速度がもたらされ、実物のCDを買おうという音楽ファンは少なくなっている。

どちらかと言えば、絶えず歌唱番組を放送し続け、さまざまな音楽祭やコンサートを集中的に開催するのが、エンタメ産業全体としても良いし、少しも凋落の様子が見えない。

SNH48のようにオンラインとオフラインを組み合わせ、メンバーを増やして公演を増やし、CDに握手券を加え、ポイントカードのポイントを特典に交換し、より多くのチャンネルでより多くのコンテンツを相互に開発する方式は、エンタメ産業全体が参考にする意義のあるものだ。


ご覧のように提灯記事なので、SNH48の見通しについては楽観的なことばかり書かれている。

ここからは筆者の見解になるが、この記事に出てくる陶鶯CEOの計画のうち、現地ファンから最も批判されているのは、オリジナル曲で韓流も試してみるという部分だ。そんなことをするならSNH48ファンをやめる、と書き込んでいる人もいる。

現地のSNH48ファンの多くは元AKB48ファンなので、AKB48楽曲でないオリジナル曲を、しかもK-POPスタイルで歌うというのは、非常に危険度の高い賭けだと思う。

EXO-Mのように韓国から中国に展開しているK-POPグループは、中国国内のK-POPファンにも受け入れられている。

しかしAKB48の姉妹グループであるSNH48が独自のK-POP風楽曲を歌ったとすると、AKB48ファンから見ても、K-POPファンから見ても、どちらも知らない一般人から見ても、「山寨(ニセモノ)」になってしまう。

また、SNH48運営が展開しようとしているオンライン劇場だが、パーソナライズされた情報サイトという発想はすでに陳腐化している。さらに言えば、広告収入モデルに頼らず、ユーザからの利用料だけで中国国内でマネタイズできるとは到底考えられない。

まして上海から遠く離れた地方のファンを、高い飛行機代を払って上海の「星夢劇院」に誘導する「Online To Offline」プラットフォームとして機能させる構想の実現性は乏しい。

中国2ちゃんねる(百度貼吧)のSNH48掲示板で、上海以外の地方ファンが最も望んでいることは明らかだ。それは上海へ「会いに行く」お金がないので、地方へ「会いに来て」欲しいというものだ。

これは今ちょうど日本でAKB48の新生「チーム8」がトヨタ自動車の協賛で実施しようとしていることだが、中国のような広大な国でこそ有効な運営方式ではないだろうか。

陶鶯CEOの「O2O」計画の目玉になるオンライン劇場が果たして成功するのか。AKB48の大組閣の動向も横目でにらみつつ、要注目だ。

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