広州GNZ48チームG全曲オリジナル公演『双面偶像』各曲の作曲者を調べてみた

今回の広州GNZ48チームGとして初の全曲オリジナル公演『双面偶像』の楽曲について、中国語の良し悪しは分からないので、作曲者の名前だけチェックしてみた。

作詞・作曲者の名前はこちらのAKB48索引サイト(Wiki)にまとまっている。

ちなみに、中国Wikiの百度百科で調べて、作詞・作曲者名が出てこないSNH48グループ楽曲は、運営会社のクレジットになっているので、それ以上調べようがない。

全曲オリジナル公演『双面偶像』の作曲者に、唐绍崴さん、吕孝延さんの名前が複数回出てくるが、過去にも広州GNZ48に楽曲提供のある中国のアーティスト。

金源奕さんは、以前ここでご紹介したように、GNZ48結成一周年記念曲『たんぽぽの足跡(蒲公英的脚印)』の作曲者で、韓国のミュージシャン。金源奕さんは日本の専門学校で音楽を学んでいる。

朴志娟さんも、以前ここでご紹介したように、韓国人だが台湾の音楽制作会社「Future Sound Music」所属。Steve Wuさんも同音楽制作会社所属。

7key-Onceさんは、第四回総選挙投票券つきEP『サマーパイレーツ 夏日檸檬船』の中で北京BEJ48のチームB、E、Jに楽曲提供している。(というより提供を受けた楽曲をSNH48運営会社が北京BEJ48に割り振ったんだろうけれど)

Aaron Hさんも、EP『サマーパイレーツ 夏日檸檬船』で広州GNZ48チームNIIIに楽曲提供している。

注目すべきは残りの、アルファベットの名前のアーティスト。

クールでダンサブルな(何だそれ)ユニット曲『9 to 9』の作曲者。

Hanif Sabzevariさんはスウェーデンのアーティストで、日本ではサウンドグラフィックスという音楽プロモーション、楽曲制作代行会社に所属しているらしい。WikipediaのHanif Sabzevariさんの記事はこちら

彼が作曲している楽曲をYouTubeでいくつか見つけた。
Anthony – DreamGirl (Official Video)
Runway
Roseanne

先日、上海SNH48のK-POPスタイルの派生チーム「7SENSES」がスウェーデンの音楽フェスに参加する予定が、音楽フェス自体が中止になってしまった件があったが、SNH48運営の音楽制作チームはスウェーデンのミュージシャンとコネクションができたのかも。

Dennis KordnejadさんもスウェーデンのDJ、音楽プロデューサ。SoundCloudに2曲だけ作品があった。
https://soundcloud.com/denniskordnejad

別の音楽サイトからもう1曲。
https://www.indabamusic.com/people/026700147?tab=overview

他にもGoogleで検索すると、いくつかトラックが見つかる。ハウスやプログレッシブハウスが多いので、個人的には好きなジャンルのEDM。

Pontus Ljungさんも情報は見つからなかったが、名前からしておそらくスウェーデンのミュージシャン。

次は『I’m not your girl』の作曲者。

Erik Lewanderさんも、スウェーデンのミュージシャン。この人は中国大陸の男性歌手・金貴晟さんに提供した楽曲がYouTubeに見つかった。
讓一切簡單 – 金貴晟

韓国のF(X)にも楽曲提供している。この曲と『I’m not your girl』の作風を比べると激しく納得。

Ylva Dimbergさんも韓国アーティストへの提供楽曲がいくつかあるようだ。これも激しく納得。
[MV] WASSUP – Shut Up U

少女時代への提供楽曲はこちら。
Girls’ Generation – Talk Talk

そして作詞が中国の秋元康(?)こと甘世佳さんの名曲、『Gravity』の作曲者。

Måns Ekさんも、スウェーデンのミュージシャン。

YouTubeで見つかった楽曲はこちら。

Svea – För alltid (David Guetta – Without You) COVER
Svea-Jag vill älska ( Justin Bieber-Let me love you) Cover

この2曲はカバー曲なので、編曲がMåns Ekさん。何となく分からないではない。

以下の曲はMåns Ekさん作曲だが、あまりピンとこない。
Brenda Bennett – Private Party (J-Mi & Midi-D Remix)
2Boys – Scandinavian Girls
Nádine – Juvenile

Erik Sahlénさんも、スウェーデンのミュージシャン。

YouTubeで見つかった楽曲はこちら。これもあまりピンとこない。
Ida Wiklund – Kom Tillbaka

もう一人のHanif Sabzevariさんは上記の通り。

『Gravity』の作曲者として名前がある3人については、あまりピンと来なくて残念。

広州GNZ48チームG全曲オリジナル公演の名曲『Gravity』の歌詞を全力で深読みしてみた

広州GNZ48チームGの全曲オリジナル新公演『双面偶像』から、M15.Gravityの歌詞を日本語試訳。作詞は中国の秋元康(?)こと甘世佳。

例によって甘世佳さんの歌詞はものすごく密度が高い。オンライン生放送の弾幕コメントにも「甘世佳の歌詞は何を言っているのか分からん」と、中国人でさえ書くくらいなので。

いったん日本語試訳してから、長々と解説を付ける。

泥沙做的偶像
一个一个走上
竞技场尘埃飞扬

泥砂で作られた偶像が
一つまた一つ
競技場に上がり 砂埃を巻き上げる

还没学会伪装
迫不及待奔向
欢宴上熙熙攘攘

自分を偽ることを知らぬまま
待ちきれず駆けてゆく
輝かしく賑わう宴へと

回头望万世风光
眼前是广州塔之上
一纵身的下场
别怪我喜欢飞翔

振り返れば永遠の美しい風景
目の前の広州塔の上
身を躍らせ舞台に降り立つ
私のせいじゃない 翔ぶのが好きなの

就当这是最后一趟
让我身体如歌绽放
才不枉 握过的手掌

たとえこれが最後の一回でも
身体を歌のように咲かせよう
握ったあの掌を ムダにしないため

就算随着重力下降
落地之前容我再唱
几万场 这念念不忘

たとえ重力につれて 落ちていっても
着地の前に もっと歌わせて
何万回でも 決して忘れないから

远古那个女王
捏出来的偶像
谁比谁更加高尚都一样

遥か太古のあの女王が
作り出した偶像
誰がより気高いかなど みな同じ

娑罗树影成双
枯荣都是虚妄
要什么华丽伪装

沙羅双樹が二つ影をなし
栄枯盛衰もみな虚妄
ならば何も要らない 華麗さを装うだけ

让天堂换个方向
重力加速度的力量
让我贴地飞翔
等绝唱 不如发光

天国の方向を逆転させ
重力加速度の力を借りて
地を這って翔ぼう
絶唱を待つより 光を放とう

就当这是最后一趟
让我身体如歌绽放
才不枉握过的手掌

たとえこれが最後の一回でも
身体を歌のように咲かせよう
握ったあの掌を ムダにしないため

就算随着重力下降
落地之前容我再唱
几万场这念念不忘

たとえ重力につれて 落ちていっても
着地の前に もっと歌わせて
何万回でも 決して忘れないから

oh oh oh
太念念不忘

決して忘れないから

风雷电的交响
在我耳边回荡 回荡 回荡

風と稲妻が響き合い
私の耳元でくり返しこだまする

谁说这是最后一趟
不要低估梦的重量
这一场 没有人退场

これが最後の一回なんて誰が言ったの
夢の重さを見くびらないで
この一回の舞台からは誰も退場しない

我们逆转重力方向
向着青空呼啸而上
有翅膀 在身后延长

私たちは重力の方向を逆転させ
青空に向かって叫びながら昇ってゆく
背中の翼を大きく広げて

oh oh oh
我喜欢翱翔

私は翔ぶのが好き

oh oh oh
(重力之下天空之上)
我喜欢翱翔
(可曾看见我的翅膀)

(重力の下 大空の上)
私は翔ぶのが好き
(私の翼が見えていたでしょ)

oh oh oh
(重力之下天空之上)
我喜欢翱翔
(可曾看见我的翅膀)

(重力の下 大空の上)
私は翔ぶのが好き
(私の翼が見えていたでしょ)

以上が日本語試訳。

以下は筆者の考えによる、歌詞の解説。

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広州GNZ48チームG神公演確定の『双面偶像 Double-Faced Idol』全音源

広州GNZ48チームGとして初の全曲オリジナル公演『双面偶像』が2017/08/12(土)初演2日目を迎えたが、運営が音源を無償公開したので、こちらにも貼っておく。

音源が公開された中国の音楽サイト「網易音楽」は日本からはVPNでも閲覧できなくてがっかりしていたら、日本からもアクセスできる「QQ音楽」や「虾米音楽」でも無償公開されていると知って、スマホにアプリをインストールしてさっそくダウンロード。

(Androidスマホに中国大陸のアプリをインストールするときは、必ず設定からアプリの権限を最小限に)

WAVE形式の無圧縮でダウンロードできるが、下記は192kbpsのmp3ファイル。

音源が無償で入手できるのは、音楽著作権使用料がなくて事業として成立する中国のエンタメ業界ならでは。

チームNIII全曲オリジナル公演『第一人称』の音源も無償公開してほしいんだけど…。

M.01 ‘Hot 了 Day’

M.02 ‘初夏之恋’

M.03 ‘Fly’

M.04 ‘回旋处’

M.05 ‘梦想咖啡厅’

M.06 ‘9 to 9’

M.07 ‘MC Queen’

M.08 ‘双面偶像’

M.09 ‘美杜莎的温柔’

M.10 ‘I’m not your girl’

M.11 ‘I wanna be your girl’

M.12 ‘扎心’

M.13 ‘遥远的爱’

M.14 ‘合理失控’

M.15 ‘Gravity’

M.16 ‘Winkend’

広州GNZ48チームGオリジナル公演『双面偶像』のクオリティがAKB48を軽く超えてる件で全曲コメント(2)

広州GNZ48チームGとして初の全曲オリジナル公演『双面偶像』が2017/08/11(金)初日を迎えたが、AKB48用語でいわゆる「神公演」決定。

つづいてユニット曲パート2部分からコメント。

以下、わざとAKB48と比較しながらコメントするので、それがイヤな方は読まないで下さい。

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最近のAKB48公演の舞台演出がどの程度か、『M.T.に捧ぐ』をDMMで購入して観たが、せいぜいサンドアートやプロジェクションマッピング程度。

サンドアートなんてSNH48グループなら、メンバーの生誕祭で応援会が一回限りの使い捨てで制作する程度の演出。

またSNH48グループの劇場は、プロジェクションマッピングなどしなくても最初から液晶スクリーンがある。さらに、広州GNZ48劇場の液晶スクリーンは可動式。

AKB48公演の舞台演出は、資金はあるはずなのに、SNH48グループに創意工夫や設備面で完敗だ。

M08. 双面偶像

演出上の特徴:
・全員登場するので、じつはユニット曲ではない。
・アイドルの表の面と裏の面を表現するため白の衣装組、黒の衣装組に分かれている。
・曲の始まりから、後ろは鏡ではなく液晶スクリーンで、完全にシンクロしたダンス映像。
・振付けがモダンダンス。
・ワンコーラス終わりの間奏でメンバーが後ろを向くと、スクリーンに黒の衣装組が現れる。
・その後、スクリーンの背後から実物のメンバーが、スクリーンとシンクロしつつ現れる。
・ツーコーラス目のサビでホンモノの鏡が背後に現れる。双面がさらに双面になる。
・ツーコーラス目は白組、黒組が2人1組で対になった振付け。

楽曲の特徴:
・ワンコーラス目はバラードで、ヲタのMIXやコールを拒否している。
・ツーコーラス目はワブルベースが顕著なEDMでリズムパターンが複雑になり、やはりヲタのコールを拒否している。
・サビがCメロ、Dメロの二段階ある。

この曲は公演のタイトル曲だけあって、中盤のクライマックス。舞台演出がとにかく秀逸。

M09. 美杜莎的温柔(メドゥーサの優しさ)

演出上の特徴:
・前曲の舞台後方の鏡はそのまま。
・三角関係の百合曲で、寝そべる体勢が多いセクシー系の振付け。
・ワンコーラス目の後の間奏でジャケットを脱ぐ(定番といえば定番)。
・後半、1小節ずれて3人が同じ振付け。

楽曲の特徴:
・はっきりしたビートがなく、ヲタのMIXやコールを拒否している。
・BメロでRAPのコーラスがメロディー。

こういう曲を、そのうちヲタがコールで台無しにしてくれないよう願っている。

M10. I’m not your girl

演出上の特徴:
・手持ちカメラの映像は、オンライン生放送の観客にしか分からない演出。

楽曲の特徴:
・K-POPスタイルのEDM。リズムパターンが複雑で、ヲタのMIXやコールを拒否している。
・明確なメロディーがなく、RAPの多用。

こういう曲を聴くと、上海SNH48が7SENSESという実験的なK-POPスタイルの派生チームを作った意義は、確かに大きかった。個人的にはやはり好きではないが、SNH48グループ楽曲の幅が広がって、48系から離脱していることは間違いない。

なお手持ちカメラの映像は、初日は途中で切れたが、本来、生放送でもっとスイッチングする演出と思われる。2日目以降で確認したい。

M11. I wanna be your girl

演出上の特徴:
・前の曲とのコンセプトの対比。クールと萌え。
・女子高生制服スタイルの衣装。

楽曲の特徴:
・Aメロ、Bメロが16ビート寄りなのに、サビが8ビートと重めになる意外な構成。
・リズムパターンが頻繁に変わるので、ヲタがMIXやコールをしにくい。
(メンバーも最後の間奏の「Hey」コールのリズムを間違えているくらいなので)

ここまででユニット曲パート2が終わり。

実際には全員曲の『双面偶像』をはさんで、前半3曲、後半3曲で7曲になっている構成もよく考えられている。「双面 double-faced」なのでユニット曲の構成自体が左右対称になっている。

M12. 扎心

演出上の特徴:
・パステルカラーでブリブリのアイドル衣装。

楽曲の特徴:
・サビははっきりした16ビートで、ヲタがMIXやコールをするためにある。
・サビ始まり。
・ただし冒頭のサビとAメロの間に間奏がない。
・Bメロは典型的なアイドルポップスの「パーンパパン」のリズム。
・ツーコーラス目のBメロの後に長めのDメロが来る、特殊な構成。

M13. 遥遠的愛

演出上の特徴:
・最後、じゃんけんで勝った半分が前列(笑)。

楽曲の特徴:
・はっきりした16ビートで、ヲタがMIXやコールをするためにある曲。
・Aメロ、Bメロ、サビの反復とDメロ、という分かりやすい構成。
・Bメロも典型的な「パーンパパン」のリズム。
・伴奏に生楽器の音がない純粋なエレクトロ・ポップ。
・Dメロ終わりはfuture bass。やはりEDMの多用が目立つ公演。
・サビのリフレインがやたらと多い(笑)

ここからアンコール後の最後の3曲。

M14. 合理失控

演出上の特徴:
・二番目の間奏で全員が膝立ちの振付け。

楽曲の特徴:
・K-POPスタイルのfuture bass寄りのEDM。
・サビの明らかな洗脳フック「ピポポピポピ」の存在。
・サビの「ピポポピポピ」が裏拍入りのため、ヲタがコールできない。
・伴奏の音数が極端に少ない間奏。

膝立ちの振付けは、上海SNH48チームHIIがSKE48『手をつなぎながら』公演をカバーしたとき、『Innocence』で三期生モンスター(劉炅然 Liú Jiǒng Rán( リュウ・チョンラン) あだ名: 怪獣 SNH48 Team HII
 SNH48 3期生
 1994/09/02山東省生まれ
)がやり始めたもの。この曲ではそれを全員でやっているので、客席が沸いている。

裏拍始まりの洗脳フレーズを入れると客席のコールがなくなるというのは、じつは重要な発見かも(笑)。筆者はなぜかBADA(바다)『Mad』を思い出してしまった。

M15. Gravity

演出上の特徴:
・全般にモダンダンス風。やたらとスピンが多い振付け。
・メンバーがペイペイ(林嘉佩 Lín Jiā Pèi( リン・チャーペイ) あだ名: ペイペイ GNZ48 Team G
 SNH48 5期生
 1998/08/16広東省生まれ
)をリフトする振付け。
・アウトロでかなり速いテンポの点呼。ここで点呼?とびっくり。

楽曲の特徴:
・SNH48グループの秋元康こと甘世佳さん作詞。
・重厚な管弦楽スタイルの伴奏。
・最後のリフレインへ向かっての盛り上がりがトリハダもの。

メンバーをリフトする振付け、坂道系がやっているかもしれないと思ったので、もしやっていたら教えてください。

ところでこの曲、中国の通信機器メーカ・ファーウェイ(華為)のブランドイメージ曲『Dream It Possible』のパクりだと言う現地ファンが多すぎてうんざりした。

↓こちらがその曲。

確かにサビの前半は『Gravity』と同じメロディーライン、コード進行も同じ、後半の管弦楽風アレンジも似ている。最近の中国人は自分で自分たちのパクりを暴いて、自分の顔に泥を塗るのが趣味のようだ。

仮にサビがパクりだとしても、振付け、Aメロ、Bメロ、サビというポップス形式にきれいに再構成されている点、甘世佳の中国語歌詞が付けられている点、この『双面偶像』という公演の中に美しつ位置づけられている点。

そういった複数の点に、自分たちのオリジナリティが発揮されているという長所を、なぜ自分で評価できないのか非常に疑問。

いつから中国人はここまで自虐的になったんだろうか。

M16. Winkend

演出上の特徴:
・最後の振付けで、メンバーが2人一組でハートマークを作る。

楽曲の特徴:
・ラストにふさわしく気持ちよく帰れるアイドルポップス。
・サビ始まり。
・ワンコーラス目のサビ終わりから直接Bメロ、サビ。
・ツーコーラス目のサビ終わりの間奏後にDメロ。

後半はM15. Gravityが重厚なクライマックスで、最後のM16. Winkendで日常にもどってホッとできるという、よく考えられた構成。

『双面偶像』と『Gravity』の歌詞は別記事で日本語試訳してみたい。

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広州GNZ48チームGオリジナル公演『双面偶像』のクオリティがAKB48を軽く超えてる件で全曲コメント(1)

広州GNZ48チームGとして初の全曲オリジナル公演『双面偶像』が2017/08/11(金)初日を迎えたが、AKB48用語でいわゆる「神公演」決定。

上海SNH48チームHII『Beautiful World』あたりから(個人的にこの公演は好きではないけれど)、SNH48グループの公演の舞台演出のレベルは、AKB48グループを完全に超えている。

楽曲の良し悪しというより、ダンスの振付け(本格的な現代舞踏やK-POPの要素の導入)、小道具や舞台セット(舞台劇のような凝り方)、液晶スクリーンの多用、オンラインでしか観られない遠方の視聴者のためのCG演出、劇場の舞台の広さや設備の利用、公演全体のテーマ性など、AKB48グループはすでに完敗している。

過去SNH48はAKB48公演をいくつも中国語でお下がりで上演してきて、例えばSKE48の神公演の一つと言われているらしい『手をつなぎながら』もSNH48チームHIIが上演済みだが、今のSNH48グループのオリジナル公演に比べれば、歴史的価値しかない「遺産」だ。

AKB48グループ全体の停滞感に比べて、SNH48グループは地下アイドルファンではない一般人の鑑賞に耐えうる公演を、少しずつ作り出しつつある。

ということで、1曲ずつ舞台演出上のポイントを中心にご紹介。

以下、わざとAKB48と比較しながらコメントするので、それがイヤな方は読まないで下さい。

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M01. Hot了Day

演出上の特徴:
・全員ストラトキャスタータイプのギターを持っている。
・間奏のスコットランド民謡とスコティッシュ・ダンス。

タイトルの読み方は「ホット・ラ・デイ」。パンクロック風。まさかの全員ストラトキャスター。さすがに有名メーカーではなく「Derulo」というメーカ製。それでも1本日本円で約1万円。意外にお金がかかっている。ギターを持っているので前半はマイクスタンドあり。

この曲の構成のポイントは、英国パンクロックを押し広げて、間奏でバグパイプ音色を使ったスコットランド民謡と振付けのステップもスコティッシュ・ダンス風という演出。

そこからディストーション・ギターのアドリブソロでハードロック側へ振っておいてから、最後のサビのリフレインとエンディングで、再びスコットランド民謡のリズム・パターンが戻って来る。

AKB48でいえば『前しか向かねえ』相当だが、楽曲構成や演出で完全にAKB48を超えている。

M02. 初夏之恋

楽曲の特徴:
・典型的なアイドルポップスと見せかけて、間奏がいきなりfuture bassとRAP。

最後のサビがいったん短い間奏をはさんで、もう一度リフレインに入る楽曲構成もたっぷりしていて手抜きがない。

M03. Fly

演出上の特徴:
・ワンコーラス目終わりのRAPで、衣装の早替え。

この曲のポイントは、ワンコーラス目終わりのRAPで、衣装の早替えがあること。上半身の衣装を下ろすとあざやかなブルーのスカートになるという。

GNZ48の衣装部がすごいことは以前から分かっていて、AKB48同様、いつも個々のメンバーで少しずつデザインの違う制服になっているが、ここまでの2曲で、まさか衣装の上半分が下ろせるなんてことを全く気づかせないのがすごい。

楽曲全体は、Bメロのリズムが「パーンパパン」になる典型的なアイドルポップス。48系ヲタがMIXとコールを出来るので、ヲタを喜ばせるためのサービス構成。ツーコーラス目のサビ前に1小節余分に入るところも、最後の間奏のギターソロがサビを反復、最後のリフレインの最初で伴奏が薄くなるのも、手抜きなし。

AKB48楽曲のアイドルポップスのレベルは軽くクリアしている。

M04. 回旋処(ラウンドアバウト)

演出上の特徴:
・天井からのロープで傘が昇降する演出。
・オンライン生放送の観客のための、ガラス窓を打つ雨粒のCG。

楽曲の特徴:
・Aメロ、Bメロのリズムパターンの変化が激しく、ヲタがMIXやコールができない。

広州GNZ48はチームNIII全曲オリジナル公演『第一人称』でも、現場の観客には見えず、オンライン生放送の観客にしか分からないCG演出をしている。劇場公演生放送が有償で、「在宅ヲタ」を軽視するAKB48とはまったく違う運営方針。

劇場の天井から下りてくる傘を吊り下げるためのロープは、チームGがSNH48チームSII全曲オリジナル公演『心の旅程(心的旅程)』をお下がり公演したとき、『潮流冠军』という曲でマイクを吊り下げる演出で使ったものの再利用。

楽曲としてはリズムパターンの変化が激しく、サビと間奏を除いてヲタがMIXやコールを打てない。複雑なリズムパターンになると、ヲタが突然コールができなくなる。

最近のSNH48グループのオリジナル曲にはMIXやコールができない曲がたまにある。

上海SNH48チームHII全曲オリジナル公演『Beautiful World』、チームSII全曲オリジナル公演『第48区』などが典型。

音楽制作陣が意図的にヲタのMIXやコールを拒否する楽曲を入れるようになっている。これもSNH48グループが48系のマンネリズムから離脱している点。ある種の曲では、たしかにヲタのMIXやコールは耳ざわり。

自己紹介MC

SNH48グループならではの、30分以上におよぶMC。今回の公演の特徴は、メンバーが全員、標準語と広東語の「二か国語」で自己紹介する点。

ここから7曲連続ユニット曲。ユニット曲がパート1、パート2に分かれている公演構成もAKB48グループのマンネリズムからすでに離脱している。

M05. 夢想珈琲庁(夢のカフェ)

演出上の特徴:
・メイドカフェの舞台セット(テーブル、椅子)。
・チームカラーに合わせたミントグリーンのメイド服。
・舞台左の花道で3人が小道具のコーヒーカップを後手にリレーする振付け。
・最後に次のユニット曲のメンバーがメイドカフェの客として登場する演出。

メンバーは、この種の「萌え系」楽曲でチームG最強のハナちゃん(謝蕾蕾 Xiè Lěi Lěi( シエ・レイレイ) あだ名: レイレイ GNZ48 Team G
 SNH48 5期生
 1999/12/01江西省生まれ
)、だんご(陳雨琪 Chén Yǔ Qí( チェン・ユーチー) あだ名: だんご GNZ48 Team G
 SNH48 5期生
 2000/12/16湖南省生まれ
)、リーロン(黃黎蓉 Huáng Lí Róng( フアン・リーロン) あだ名: リーロン GNZ48 Team G
 GNZ48 1期生
 1999/01/23湖南省生まれ
)の3人。

楽曲の最後、次のユニット曲のアベル(張凱祺 Zhāng Kǎi Qí( チャン・カイチー) あだ名: アベル(啊belle) GNZ48 Team G
 SNH48 5期生
 1998/11/02香港生まれ
)が客としてカフェに入ってくる。メイドさん3人もちゃんとお辞儀をする(笑)。カフェの椅子とテーブルがそのまま次の曲のセットになる。

AKB48公演もここまでストーリー性のある舞台演出を、ちゃんと考えたらどうか。

M06. 9 to 9

演出上の特徴:
・振付けでキスが二か所もある思い切った百合演出。

楽曲の特徴:
・K-POPスタイルのディスコ。最後の間奏はdub step。
・リズムパターンが複雑なEDM曲で、ヲタがMIXやコールができない。
・脚韻ではなく頭韻を踏む歌詞。

「萌え系」の曲から、いきなりクールビューティーな百合曲。アベル(張凱祺 Zhāng Kǎi Qí( チャン・カイチー) あだ名: アベル(啊belle) GNZ48 Team G
 SNH48 5期生
 1998/11/02香港生まれ
)、つき(羅寒月 Luó Hán Yuè( ルオ・ハンユエ) あだ名: つき GNZ48 Team G
 SNH48 6期生
 2000/04/27重慶市生まれ
)の2人。SNH48チームSII新公演『第48区』の『愛未央』同様、ヲタのコールを拒否する楽曲。

タイトルは夜の9時から朝の9時まで夜通し踊ろうという意味だが、「night to 9 to 9」「9 to 9 tonight」「night tonight to 9」と複数のパターンで頭韻をふんでいる。脚韻じゃなくて頭韻。

中国語は日本語と違って完全に押韻できるのがうらやましい。

M07. MC Queen

演出上の特徴:
・MCが始まると見せかけて、曲のテーマに沿った演出。
・普段のMCでは話題を表示する液晶スクリーンに歌詞がシンクロ表示。
・孤独を表現する歌詞の曲の最後に、液晶スクリーンがチームGの集合写真に変わる。

歌詞をわざわざ表示する理由は、この曲を歌っているキツネちゃん(高源婧 Gāo Yuán Jìng( カオ・ユェンチン) あだ名: キツネちゃん GNZ48 Team G
 SNH48 5期生
 1999/07/06山東省生まれ
)自身が作詞だから。楽曲は良くも悪くもないが、テーマ性や演出の勝利。

为何会不安 明明说了不散 惘然
笑声在耳畔 却没有你陪伴 眼前灰暗

从没有 试着想象过
只剩下我 独自在舞台
怎么会 你们都不在
颤抖地 双手攥着Mic
害怕 自己说独白

宁愿和你 一起孤单
也不愿意 独自狂欢
这风景再美 少了你 的陪伴
有什么好看
少了你唠叨好不 习惯

从没有 试着想象过
孤零零的 独自拿着Mic
剩我 一人在这舞台
怎么会 你们全都不在
oh 我好不习惯

宁愿和你 一起孤单
也不愿意 独自狂欢
这风景再美 少了你 的陪伴
有什么好看
有你的地方 才有…

有谁愿意 只影独单

宁愿和你 一起孤单
也不愿意 独自狂欢
这风景再美 少了你 的陪伴
有什么好看
有你的地方才有 温暖

ここまででユニット曲パート1終了。ここからユニット曲パート2。

(つづく)

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