広州GNZ48チームNIIIキャプテン・副キャプテンの謝罪ツイートについて

挫折は成長への一歩。それが育成系の本質で、きれいなものだけを見ていたいというのは現実逃避。

ということで、広州GNZ48チームNIIIキャプテン・ミッフィー(劉力菲 Liú Lì Fēi リョウ・リーフェイ あだ名: ミッフィー GNZ48 Team NIII
 SNH48 6期生
 1995/10/30四川省生まれ
)と副キャプテン・チェンチェン(劉倩倩 Liú Qiàn Qiàn リョウ・チェンチェン あだ名: チェンチェン GNZ48 Team NIII
 SNH48 6期生
 1994/11/28福建省生まれ
)の謝罪ツイートの背景をご説明。

広州GNZ48チームNIII ミッフィー(劉力菲 Liú Lì Fēi リョウ・リーフェイ あだ名: ミッフィー GNZ48 Team NIII
 SNH48 6期生
 1995/10/30四川省生まれ
2017/04/25 21:39

一つのチームに、もし何かが起こって不和になったら
そのチームがまだ未熟だということしか言えません。

この一年余りともに生活して努力し、みんな一歩ずつ着実に歩んできました。
みんなゆっくりと成熟しているのを見てきました。もちろん気持ちも行動も。
同じ目標を持っているから、何が起こってもチームを優先できます。

今回起こったことは、私たち二名のキャプテン、副キャプテンの職務怠慢によるものです。
チーム内に起こった些細なことをしっかり管理できず、今回のことに到り、みなさんの憶測を引き起こし、みなさんを心配させ失望させ、本当に申し訳ありません。

私たちは今回のことを一つの教訓として、未熟なところを改め、多くを語らず、実際の行動で証明します。先生であれ一人ひとりのメンバーであれ、すべてチームNIIIに不可欠です。チームNIIIはこれからもずっと仲の良い大家族であり続けます。

広州GNZ48チームNIII チェンチェン(劉倩倩 Liú Qiàn Qiàn リョウ・チェンチェン あだ名: チェンチェン GNZ48 Team NIII
 SNH48 6期生
 1994/11/28福建省生まれ
2017/04/25 21:39

声明

実はすべては取るに足りない小さなことでした。
ありきたりな言い争いです。
ただその後にツイートが続き
多くの人の注目を集めることになり
その後に憶測と皆さんの意見が続き
さまざま真相も理由も分からず
各人の主張と言葉が雪だるまのように
山頂からふもとまで転がってますます大きくなり
ますます収拾がつかなくなりました。

みなさんから見ると
凍結し 瓦解したように見えますが
実はただのちょっとした意見と意思疎通の誤りでした。
チーム全体の不一致にまで至る理由も必要もありませんでした。

ずっと先生が私たちのためにして下さったことを
私たちは心に刻んでいます。
その一つひとつに私たちはみんな感動しています。

いま一人ひとりの意見が少しだけ偏っているため
必然的に誤解を産んでいます。

立場が分かれているなどということは
そもそも存在しない雲をつかむようなもので
そもそも先生であれ学生であれ 全体として
チームNIII以上でも以下でもありません。

家族に例えれば、両親が口げんかをしても
どちらも大事で欠くことはできません。

重要なことは
私たちがずっと前進する道にあること
私たちがお互いに助け合う大家族であること
一つのことだけで誰も簡単に誰かを否定してはいけないこと
この長く遠く困難な道のりで
些細なことのために麻痺して止まってしまい
皆さんにあらさがしされるなんて つまらないことです

今回のすべての始まりは結局のところツイートです
私たち二人キャプテンとして メンバーの気持ちを調整せず
このような一連の問題に至ってしまったのは
私たちの怠慢です。
この点で私たちは反省し、その責任を負う必要があります。
最近の事がみなさんの議論と憶測を引き起こし
かつこの事にうまく対処しなかったためチームのイメージを損ねました。
この責任を免れることはできません。

みなさんが関心を持って下さることに感謝します。
私たちは必ず全力で対処します。

チームNIIIはずっと皆さんの見えるところ見えないところで
黙々と努力してきました。
この一年余りの時間 私はここにいられること
このチームにいられることを幸せに思います。
チームというよりも 一つの家族です。

何があっても
チームNIIIはずっと向上する心を
ずっとよりよく変わりたいという心を持ち続けます。
この一点は変わりません。
ただちょっとした風が吹いただけで
どうして濃厚な勘定を傷つける必要があるでしょうか。

風の音がしただけで雨が降ると決めつける必要はありません。
すべては風
風に過ぎません
だから
引き続き前に進みます

ここからは上記、広州GNZ48チームNIIIのキャプテン、副キャプテンのツイートの背景の説明なので、アイドルの世界にまで世の中の現実を見たくない方は、必ず読み飛ばして下さい

発端は、チームNIIIの某メンバーが2017/04/23 17:38の中国ツイッター(新浪微博)で、「どこのダンス教師が『私の機嫌が良きゃあんたを舞台に上がらせるし、機嫌が悪きゃ上がらせない』なんてことを言うかな?」と書いたこと。

原文では、ダンス教師は「tm(他媽)」、英語でいうと「F**K YOU」という言葉を使ってこのメンバーを叱責したとある。

その下品な叱責に耐えかねて、この某メンバーはこのツイートをしたと思われ、コメント欄でも気が収まらない様子だった。「ほんと気が狂いそうなほど腹立つ」「新公演も含めて私たちに振り付けを一つもしてくれたことがないのに」「劇場支配人さん、もしこのツイートを見たらダンス教師を換えてよ」と、気持ちが収まらない様子だった。

これに対してダンス教師が、この直後の2017/04/23 18:26のツイートで「人はやるべきことをしていれば、天が見ていて下さる。私にやましいところはありません!」と書いている。

このことについて、チームNIIIの他のメンバーは次のようにツイートしていた。

「私は私たちの先生に何の意見もない。私が知っているのは、先生が私たちに心を込めて接してくれていることだけ。これはどんな先生であっても同じこと。みんなもそうでしょ。子供のころ優しくて親切な先生に出会ったことがあるでしょ」

厳密には中国ツイッター(新浪微博)のツイートではなく、SNH48グループ公式アプリにある、各メンバーがファンと公の場でメッセージのやりとりができるチャットコーナーでのメッセージだ。

それに対して、最初のツイートをした某メンバーが、同じ公式アプリのチャットコーナーで、次のように主旨の違うメッセージを書き込んだ。

「みんなにまじめに言わなきゃいけない事がある。今晩私たちのチームはミーティングをしました。劇場支配人も舞台監督も含めてです。チームメンバー全員の意見は、ダンスの先生の能力を引き上げること、そうでなければダンスの先生を入れ替えること。この先生が私たちの足を引っ張っていること。まとめて言えば、先生の能力は短気さに釣り合わないこと。とにかくこのことで、私は絶対に間違ってない。私のことを好きな人たちに保証できる。カッとなってツイートしてしまったことは別だけれど」

ただその後、この某メンバーは事実上の処分をうけたことを、次のようなメッセージで発信した。

「みんなに良くない知らせがあるの…私は間もなく連絡できなくなるし、このアプリも没収されて、中国ツイッター(新浪微博)もこのアプリも全部なくなってしまう…みんな、私のことを忘れないでね」

そして、ダンス教師も結局はチームNIIIを離れることになったらしく、中国ツイッター(新浪微博)で2017/04/24 23:46に次のようにツイートした。このツイートはこの記事を書いている時点でまだ残っている。

「最初、先生が私にダンスを教えて下さるんですね、先生は私たちの救世主ですと言ったのは誰でしょう。いま女の子たちに愛されている男性ダンス教師とコンタクトをとったら、私の能力は短気さに及ばないと言われました。以前あなたたちが言ってくれたことを考えてみると、本当に嘘で、誇張だったということになります。だけど、良心から言ってくれたあの言葉と、恩を感じることができるメンバーにはやっぱり感謝します。今回の新公演で、私は確かに振り付けはしていない。私はダンサーであって振付師ではないから。あるメンバーに言いたいのは、今後あなたが私の作曲したユニット曲を踊るのが楽しめるか悲しく思うかということ。オリジナル公演にはあんなにたくさん曲があって、毎回公演をするたびに私の声がバックコーラスで流れるのを聴くのは、あなたにとってある種の苦痛じゃないかしら。この一年間チームNIIIのダンスは皆さんの認めるところなので、私はコメントしないけれど、少なくとも私は一人のダンス教師の範囲内の仕事はやり遂げました。私は絶対に簡単に怒るような人ではありません。もしみなさんが教師の立場で、メンバーから先に罵られて、ましてその理由も言わない、そういう状況にどうやって対処しますか?この一年私は”教師”という二文字に背かずやって来ましたが、あなたは”偶像(アイドル)”の二文字に背いていませんか?チームNIIIは私にとってこの一年の美しい記憶でもあり、私の一生で永遠に触れたくない傷になりました!」

ここまでの背景があって、最初にご紹介したキャプテン、副キャプテンの謝罪ツイートになった、というわけだ。

筆者は純粋に、やや唐突なミッフィー(劉力菲 Liú Lì Fēi リョウ・リーフェイ あだ名: ミッフィー GNZ48 Team NIII
 SNH48 6期生
 1995/10/30四川省生まれ
)とチェンチェン(劉倩倩 Liú Qiàn Qiàn リョウ・チェンチェン あだ名: チェンチェン GNZ48 Team NIII
 SNH48 6期生
 1994/11/28福建省生まれ
)の謝罪ツイートの背景を解説したかっただけなので、ノーコメント。

広州GNZ48第三弾EPで初シングル選抜入りチームNIIIはるか(熊心瑶)の本音

広州GNZ48第三弾全曲オリジナルEP『たんぽぽの足跡(蒲公英的脚印)』のタイトル曲の選抜メンバーに、チームNIIIのはるか(熊心瑤 Xióng Xīn Yáo ション・シンヤオ あだ名: はるか GNZ48 Team NIII
 SNH48 6期生
 1996/01/19重慶市生まれ
)が初めて選ばれた。

シングル曲の選抜メンバーは、広州GNZ48だけで約50名のメンバーがいる中から、運営会社が16名を選んで、録音と発売後のパフォーマンスに参加させる。

選ばれなかったメンバーよりも人目にふれる機会が増え、人気が高まったり、間もなく始まる第四回総選挙(ファンによる人気投票イベント)でも有利になることは確かだ。

そういう状況をふまえて、チームNIIIはるか(熊心瑤 Xióng Xīn Yáo ション・シンヤオ あだ名: はるか GNZ48 Team NIII
 SNH48 6期生
 1996/01/19重慶市生まれ
)が2017/04/04に中国ツイッター(新浪微博)の長文ツイートに心境を書いていた。

彼女は入団前からずっとAKB48の大ファンという前提で、以下の日本語試訳をどうぞ。

一昨日GNZ48第三弾EPのメイン曲『たんぽぽの足跡』の音源が公開されて、私は選抜メンバーとしてこの曲に参加することになりました。

今回、私は初めて選抜組に入りました。

一日店員のとき、私に「今回の選抜に入ってる?」「選抜おめでとう!」と言ってくれる人がいたけれど、まだ発表されていなかったので「そのときになったら分かるよ!」としか答えられなかった。

いま、ついに正式に、公に言うことができるようになりました。みなさんお祝いありがとう。

選抜が発表されたその日の晩、私は決してうれしくありませんでした。名前を呼ばれた瞬間、喜びは驚きや、疑い、不安や恐怖に変わりました。

私は当然”選抜組”の意味を知っていますし、いろいろなアイドルグループの選抜発表にとても関心があります(…)。ずっと選抜組が目標でした。でもそうすればするほど、自分にはまだ選抜組に入る資格がないと思うようになりました。

チーム内のポジションは大部分12~16番でした。第一弾EP『あなたの知らない私』は選抜に入らなかった。心の中で思ったのは、今後は優秀な後輩がますます多くなって、ますますチャンスがなくなるだろうということ。

自分のアイドルとしての生涯はこういうものだろう。絶えず自分を慰めていました。公演で良いじゃない。公演に出演できるのがうれしいし、ずっと劇場で退団するまでパフォーマンスできれば問題ない。選抜組とか、MVとか、劇場外の仕事とかは、もっと可愛くて、もっと美人で、もっと実力のあるメンバーが出るべきで、私には関係ない。

私みたいな人がどうして選抜組に入れるだろう、チームの中で顔面偏差値と総合力は中の下だし、グループ全体の代表の16人にどうして入れるだろう。早くあきらめよう。手に入れるべきでないものを分不相応に望んじゃダメだ、足るを知って、しっかり公演のパフォーマンスをするんだ。

自分で自分を洗脳して、この程度にまでなっていたけれど、内心のいちばん深いところでは少しだけ悔しい思いがありました。ときどきは「私だってかなりイケてるんじゃない……」と思うこともありました。

今までずっとチームメイトにも、先生やファンにも「選抜に入りたい」「舞台でもう少し前に立ちたい」という考えを伝えたことはありません。まず自分の実力を高めるべきでしょ、と思っていました。顔はダメだけど、もし今後ダンスのレベルや人気が選抜組の基準に達したら、もしかするとチャンスがあるかもしれない。

年越しのとき、あるファンが新年の願いは私が選抜組に入ることだと言ってくれました。私は:「まさか、もし私が選抜に入ったらLPLで今年のチャンピオンになれるよ」(×)そう考えると少し悲しかった。(訳注:LPLはオンラインゲーム『League Of Legends(英雄連盟)』の中国プロリーグ)

それにもかかわらず、やっぱり誕生日の特別公演で「一生に一度はGNZ48選抜組に入る」という願い事をしました。

私たちの願い事は実現しました。

「どうして私が入選したんですか?」、それに対する答えは:中国ツイッター(新浪微博)、劇場、握手会の人気を総合的に考慮した、というものでした。私は自分がもう選抜組に入る資格はないと思っていました。みなさんの応援があったからこそ、今回のチャンスをもらえました。みんなに感謝しています。それ以外のことは、行動で伝えます。

私のチームメイトの中には、以前から優れているのに今回意外にも落選したメンバーがいます。私よりも努力して、私よりも優秀なのに、一度も選抜に入っていないメンバーもいます。私が不安ながらも自分でうれしいと思うと同時に、彼女たちのことを悔しいとも思います。今回私は彼女たちの残念な気持ちと努力を胸に、彼女たちの努力がいつか認められることを願っています。

次の選抜にまだ私がいるかどうか分からないけれど、でも選抜組のメンバーになるこの期間、選抜組の基準を自分に要求することにします。

私の理解の中で、「選抜組」は決して「歌をもう一曲歌える」とか「MV撮影ができる」とかではなく、「選び出された、その期間はグループ全体の代表」というものです。それはチャンスでもあり、栄誉でもあり、責任でもあり、グループの最高レベルの代表でもあります。

実はこのポジションを失いたくない気持ちは強いけれど、今はまだ「選抜の常連になりたい」と口に出す勇気はありません。ならばそれを目標に努力することだよね!

ここまで読んでくれてありがとうございます。

今回の曲『たんぽぽの足跡』がみなさんに気に入ってもらえますように。ライブパフォーマンスとMVも、ご期待下さい。

GNZ48 Team NIII 熊心瑶
2017.14.3

広州GNZ48初の全曲オリジナル公演チームNIII『第一人称』に好き勝手コメントしてみる(3)

広州GNZ48として初の全曲オリジナル公演、チームNIII『第一人称』の各曲に好き勝手コメントする記事の続き。今回で完結。

M10.少女革命

マイナーコードのEDMだが、どちらかと言うとシンセの音色にエフェクトを多用するというより、各種シンセの原音をそのまま鳴らす1980年代のエレクトロポップに近いところを狙ったdaft punkに似た「清潔な」音作り。EDM形式のアイドルポップとして妥当だと思う。

曲の構成に特筆すべきことはない。転調なし。ただサビが前半と後半に分かれていて、後半の「shut up! shut up!」がフックになっている。サビのメロディーが二種類あるのがすでに当然になって来ている点に、SNH48グループの楽曲水準の向上がはっきり分かる。

この曲の後半の間奏のダンスが、この公演『第一人称』の予告映像に出てきたあのカッコいいステップだったというわけだ。広州GNZ48チームNIIIも、同じ広州GNZ48チームZと同様、ダンスがそろっていて素晴らしい。

M11.Never Land

繰り返しになるが、この日の公演はエイプリルフール特別公演で、セットリストを16曲目から1曲目まで逆順に上演して、公演中にもいろんなところをわざと逆にしている。

この曲はサビ始まりだが、その冒頭のサビを歌うとき、普段はメンバーが舞台の最前部に座って、舞台から脚を下ろして歌う。すると客席最前列の超VIP席の観客と至近距離になる、というのが、この曲の演出で観客をびっくりさせた部分。

この日はエイプリルフール特別公演なので、冒頭でメンバーが客席に背を向けて歌っている(笑)。

この曲も編曲がとても美しい。冒頭のサビの後半のアコースティックギターのストロークが聴こえてくる部分は、ちょっと感動する。

観客がきっちり掛け声(MIX)を打てる、十分な長さのイントロ。その後も楽器の数が少ないAメロで、やはり観客が声援を送りやすい編曲。Bメロは典型的な「パーンパパン」リズム。

その後に現れる実際のサビは、イントロと違って明確なバックビート乗りで、メロディーの譜割りも意図的に変えられている。

次の間奏はワンコーラス目からツーコーラス目へのつなぎとしては、長過ぎるくらいの長さで、やはり観客が心ゆくまで声援を送れる編曲になっている。ツーコーラス目の後のアウトロも、十分な長さ。

転調や凝ったメロディーは無いけれど、やはり、こういう舞台上と客席のインタラクション(互動)が、48系グループの劇場公演の基本だと感じさせる。
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広州GNZ48初の全曲オリジナル公演チームNIII『第一人称』に好き勝手コメントしてみる(2)

広州GNZ48として初の全曲オリジナル公演チームNIII『第一人称』の各曲に好き勝手コメントする記事の続き。

ちなみになぜチームN”III”なのかというと、上海SNH48二期生のチームが結成されたときは、まだSNH48運営がAKB48グループのことを意識していて、NMB48のチームNの次ということでチームN”II”になった。

ただその後はご承知のとおりで、新潟NGT48チームN”III”よりも後にできた広州GNZ48のNのつくチームは、同じくチームN”III”になっている。

そんな話はどうでもよくて、今回はユニット曲から。

M05.妖精(精霊)

くり返しになるが、これはエイプリルフール特別公演で、セットリストが16曲目から1曲目まで逆順に上演されている。なのでこの曲のセンターのナオナオ(卢静)は、いつもは背中に付けている大きなリボンを胸につけている。

この曲はお聴きなってすぐ分かるように、オーケストラル・アイドル・ポップ(そんなジャンルがあるのか知らないけれど)として、完璧な編曲。歌詞なしで最後まで「ラララ」だけでも、十分鑑賞に耐える曲になっている。

イントロの管弦楽アレンジから、Aメロで楽器の数が一気に減り、しかも「ダダダダ」と「ララララ」と、歌詞までシンプルにされている。Bメロでやっとバスドラムが入る程度。

AメロとBメロがセットでくり返されて、サビに入る直前のストリングスのピッチカートもうっとりする。

そしてサビで一気に伴奏が分厚くなり、Cold Playの『Viva La Vida』そっくりにティンパニの強打で盛り上がる。

ただ、Cold Playの『Viva La Vida』を今回聴き直してみると、ティンパニが印象的なサビの楽器はほぼすべてアコースティックで電子音はない。

それに対してこの『妖精』は、ティンパニの音色が使われているが、ティンパニと同時に鳴るリードも含めて、その他の音はすべて電子音、16分音符で細かく鳴っている分散和音も電子音と、編曲の考え方は『Viva La Vida』と全く違う。

(個人的にサビでティンパニが思いっきり鳴るポップスでは、Dream Academyの『Life In The Northern Town』の方が先に思い浮かんだけれど)

ツーコーラス目の前の間奏のストリングスとフルートの音階の駆け上がりと駆け下り、その背後で鳴っているホルンのロングトーンというのは、ありがちだけれど、「どうせアイドルの曲だし」と油断して聴いていると、不意を突かれて、感動して涙が出そうになる(笑)。

ツーコーラス目のAメロは最初からクラップもコーラスも入って、ポップスらしいアレンジになり、エレキベースもはっきり聴こえてくる。

それでもストリングスの編曲ははっきりしていて、全体としての美しさや端正さは損なわれていない。

ツーコーラス目終わりの間奏、ストリングスの細かい音符の上で、ホルンがシンプルで力強く鳴る部分も、とてもアイドル曲とは思えない天国的な美しさ。

ちなみに股割りをしているのは、りんたん(肖文鈴 Xiào Wén Líng シャオ・ウェンリン あだ名: リンたん GNZ48 Team NIII
 SNH48 6期生
 2001/01/24四川省生まれ
)。

この曲だけで半年くらいは生きていける感じがする。

調性がかろうじて残っているくらいの後期ロマン派のクラシックが大好きな筆者としては、単なるアイドルポップでここまで美しい管弦楽編曲をされてしまうと、何も言うことがない。

今までのSNH48グループのオリジナル曲の中で、アイドルらしい可愛らしさと、管弦楽の荘厳さを両立させている奇跡という点で、個人的には今のところベスト。

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広州GNZ48初の全曲オリジナル公演チームNIII『第一人称』に好き勝手コメントしてみる(1)

ついに広州GNZ48星夢劇院のオンライン生放送の音響設備が、驚くほど劇的に改善された。

2017/04/01の広州GNZ48チームNIII全曲オリジナル公演『第一人称』エイプリルフール特別公演で、生放送の音響が初めて、ほぼサラウンド音質になり、全曲バッキングが隅々までハッキリ聴き取れるようになった。

広州GNZ48のオンライン生放送は、いままでほとんどモノラルに聴こえるほどヒドかったので、感動して泣きそうになった(笑)。

そういうわけで、ようやく広州GNZ48初の全曲オリジナル公演『第一人称』の各曲に、好き勝手ツッコミを入れてみる。

ただ、この公演はすごい!北京BEJ48チームEの全曲オリジナル公演『ティアラ・ファンタジー(奇幻加冕礼)』よりもさらにレベルが上っているかもしれないくらい、クオリティが高い。

広州GNZ48公式サイトのこちらの『第一人称』公演紹介ページをご覧になって分かるように、この公演全体は、8ビット・テレビゲームがテーマになっているらしい。

中国の1980年代には、当然ファミコンなどなくて、いま30歳前後のGNZ48ファンの一部の男性の「子供の頃の想い出シリーズ(童年回憶系列)」なのかもしれない。

動画はエイプリルフール公演のものを使うが、この公演はハイタッチ会から始まって、最後の曲から最初の曲に逆順に歌い、Overtureが最後に来て、その後「影アナ」の注意事項の読み上げがあるという、すべてが逆転の公演になっている。

一曲目でメンバーがいちばん汗だくになっているのは、そういう理由。

M01.Wake Me Up

最初のレーザーの演出は北京BEJ48チームE『ティアラ・ファンタジー』のパクりだが、同じ姉妹グループ内でのパクりはOK(笑)。

よく聴くとイントロからいきなりDUB STEPのワブルベースが聴こえる。ふつうの16ビートのアイドル曲のようで、じつはメロディーのつなぎの伴奏に必ずDUB STEPが入るという、凝った編曲。

個人的に思うのは、48系アイドルに直接DUB STEPを踊らせるのはすでに時代遅れで田舎くさくて、アイドル曲を何気にDUB STEPで編曲する方が、はるかに技術的に洗練されていると思う。

あらゆるスタイルの音楽を取り込みつつも、いかにアイドルポップとして成立させるかが、編曲者の腕の見せどころだと思うからだ。

Aメロは反復なし、Bメロへのつなぎにワブルベースが入って、Bメロはアイドルポップの定番の「パーンパパン」のリズムだが、ワブルベースがしっかり入っている。

Bメロも反復なし。サビの転調はないが、サビのCメロの最初で「wake me up」の三拍単位の反復が自然なフックになっている。

さらにサビの後半の「愛愛愛」「kiss kiss kiss」の付点8分音符も、偶数拍のリズムに16分音符3つ単位のメロディーが乗ることでスムーズなフックになっている。このあたりのメロディーの作り方は素晴らしい。

そしてサビにもう一つDメロが続いて、「wake me up」が再び登場し、ここで伴奏のワブルベースがさらにハッキリする。

間奏なしでツーコーラス目のAメロへの流れも非常にスムーズ。

ツーコーラス目の後の間奏はアイドル曲の定番、ディストーションギターのソロ。間奏の最後の部分も、レーザー光線の演出も含めて、北京BEJ48チームE『ティアラ・ファンタジー(奇幻加冕礼)』を参考にしている。

サビの最後のリフレインの伴奏、シャキシャキのシンセサイザーの和音が素晴らしい。そこへ色とりどりの音色のワブルベースが入り込んできてアウトロなしで終曲。

個人的には「7 SENSES」の『Girl Crush』よりも、こういうDUB STEPの使い方のほうがはるかにセンスがあって都会的で洗練されていると思う。

(所詮米国のストリートなんて西海岸のホワイトカラー居住区と違って、日本で言う地方都市のヤンキーのようなジモティーの集団にすぎないのだから)

M02.到着まであと5秒(还有5秒到達)

SNH48グループの全曲オリジナル公演はどれもそうだが(北京BEJ48チームE『ティアラ・ファンタジー(奇幻加冕礼)』はちょっと違うかもしれないが)、最初の4曲はどれも典型的なアイドルポップ。この曲もそう。

Aメロはきっちりほぼ同じメロディーの反復、Bメロは例の「パーンパパン」リズム。サビのCメロに入る前に2小節追加されているのも定番。純粋に客席のファンがコールするためだけに存在するかのようなメロディー構成。

サビのCメロもほぼ同じメロディーを2回繰り返し。最後の「还有五秒就会到达」の部分でC#m7⇒F#7⇒Bの代わりにC#m7⇒C⇒Bとなっているのも定番。間奏でBからF#へ経過点転調。

Aメロとサビの伴奏で細かく32分音符くらいで鳴っているシンセもポイント。サビの「出発」「害怕」の部分のフックも、とっても分かりやすくて良い。

M03.ドリームアドベンチャー

イントロのギターですでにEメジャーからFメジャーに半音上昇の転調。このイントロの後にブレイクがあって、まるで別の曲が始まるかのようにまたEメジャーでイントロが始まる構成が斬新。

この公演の初日では、弾幕コメントに「調整室のスタッフが失敗した」と流れてきて、筆者もそう思ったけれど違った。こういう編曲だったのだ。

最初の「Wow wow」でEメジャーのイントロが戻ってきて、Aメロでいきなり三度転調でC#メジャーに。冒頭からかなり凝った作曲。

BメロでF#⇒D#7⇒G#の流れから、同主調のC#マイナーのコード進行で雰囲気が変わり、サビ前にG#7というC#マイナーのドミナントコードで、ピーンという音のブレイク。

サビのCメロでイントロのEに再度三度転調で戻る。平行調のマイナーコード経由で元の調に戻って来るという、三度転調のお手本のような曲。

サビの後半はイントロの「Wow wow」で、これがフックのメロディーになっている。

ツーコーラス目のAメロは、ワンコーラス目のAメロが、バスドラムがオンビートをバス、バスと打っていたのに対して、より静かなビートでさらに雰囲気が穏やかに。

ツーコーラス目のEメジャーのサビ終わりの間奏が、同主調のEマイナーの進行になり、C⇒D⇒Em⇒G⇒C⇒D⇒D/E⇒Eで、最後にまたEメジャーに戻って来る。このあたりクリシェではあるけれど、よく出来た曲。

サビの最後のリフレインで半音上がってFメジャーに転調。ここでイントロの調まで戻る。ラストはフックの「Wow Wow」で終わり。

ここまで捨て曲なしです。

M04.第一人称

公演のタイトル曲。ここでファンキーなディスコ曲。公演全体の曲構成もとても良い。マイナーコードのコテコテのメロディーなので、日本人的には1980年代の雰囲気でとても懐かしい感じ。

間奏のトランペットが突然ムーディーな感じをかもしだしているが、これは人の演奏ではなくて、よく調教されたトランペット音源。

その後のブレイクも定番だけれど、C#マイナーからEbマイナーに長二度転調するために、ここでちゃんと入れてくれるところが良い。

とりあえずここまで。この続きのユニット曲は、特に『妖精(精霊)』など、書きたいことがあり過ぎるけれど、書く時間がとれないので。