上海SNH48チームSII完全オリジナル公演『心の旅程』全曲を勝手に解説!(その3)

AKB48海外姉妹グループ初の完全オリジナル公演、上海SNH48チームSIIによる『心の旅程』の楽曲を筆者が好き勝手解説してみるブログエントリーの3回め。解説が長すぎる!(笑)

↓初日のインターネット生中継全編はこちら。今日はアンコール明け2時間12分あたりから。

EN1.時代のチャンピオン(潮流冠軍)

これもAKB48公演ではおなじみのロック風の「燃える」系の楽曲。しかし天井からマイクがぶら下がるとは斬新な演出。ただマイクは活きていないと思われるし、かなり踊りづらそう。生中継のカメラから見てもメンバーの顔がマイクの後ろに隠れちゃうし。

曲の構成はやはりJ-POPの王道でAメロ⇒Bメロ⇒Cメロで、しかもAメロが「動」、Bメロでいったん「静」になって、サビで再び「動」になるという典型的なパターン。

サビの歌詞「hey hey hey」と「追 追 追(チェイ チェイ チェイ)」の連呼がいかにも「らしい」作詞になっている。

現地ファンなら「ヘイヘイヘイ」と「追追追」であらぬことを連想してしまうんだけれど。SNH48初のテレビ放送冠バラエティー番組『国民美少女』で「校長先生」役だった、台湾のベテラン歌手・費玉清(フェイ・ユーチン)の「ヘイヘイヘイ」ネタ…。

歌詞はロンドンが舞台なので、てっきりサッカーがテーマの「冠軍(チャンピオン)」かと思ったら、ファッションモデルの女の子のお話しだった。

曲に登場する「T台」とはランウェイのこと。「街拍」はストリート・スナップのこと。などなど、さまざまなファッション用語が散りばめられて、ランウェイをさっそうと歩くスーパーモデルを目指す女の子の歌。

間奏へのブリッジの役割を果たすDメロもちゃんと書かれているし、サビのCメロは上述の歌詞も含めてキャッチー、Dメロが最後のサビのリフレインのコーラスになっちゃうという凝った構成まである。

J-POPとしても十分レベルを満たす公演曲。AKB48へ逆輸入しても何の問題もなく成立する楽曲。

EN2.青春のラッパ

イントロで急に人数が少なくなるのは、マイクを取りに舞台裏にもどるメンバーが多いため(笑)。舞台裏にもどったメンバーは自分の分も合わせて、マイクを2本持って再び登場している。

マイクを天井からぶら下げるという斬新な演出の「副作用」だけれど、よく見ていないとなぜ舞台からハケるメンバーが多いのか分からないかもしれないくらいスムーズな転換。

曲の構成は、Aメロ⇒Bメロ⇒Cメロ(サビ)だが、この曲のすごいところは、Aメロ、Bメロにくり返しがなく、ひとつながりのメロディーで次の部分へ継ぎ目を感じさせずになだれ込んでいくこと。

メロディーにくり返しが無いとは、ぜいたくな作りの曲。

Cメロが転調しているが、これはGメジャーからAメジャーなので、最後のサビの繰り返しがよく半音や全音上がるのと同じく、単に盛り上げるためだけの転調。三度転調のように、トニックコードの代替コードがメジャーコードになるのでガラッと曲の雰囲気が変わる、といった効果は無い。

また、最後のサビの前の間奏部分で、全く同じギターのリフがA⇒C#m7⇒A⇒E7と進行するコードの上でずっと鳴っているのも気持ちいい。

ところでこの曲のサビの歌詞には「S!N!H!」が登場するので、これが上海SNH48として、オリジナル公演そのものが初めてなので当たり前だけれど、SNH48グループ曲としても「初」。

いままでSNH48は、AKB48の『Pioneer』『転がる石になれ』などに現れる「We’re the Team A!」や「We’re the Team K」という歌詞を「We’re the SNH!」に変更して歌っていた。

そしてようやく自分たちオリジナルの「S!N!H!」と叫べる曲が出来たわけだ。

これが「Team S!」ではなくて「S!N!H!」である点が、ある意味、本来J-POPにとってアウェーの中国という国で、日本式の女性アイドルグループとして活動しつづけるSNH48全体の団結力を示すのかもしれない。

EN3.私の舞台

この曲は『最終ベルが鳴る』公演でいう『支え』的な曲。じっさい初日の映像では、瞳をうるませながら歌っているメンバーもいる。

この曲は構成で言えば、長めのAメロのくり返しの後、すぐにサビのBメロが来るが、Aメロのメロディーが実質的にブリッジも兼ねているぜいたくな長さ。

しかも一番の歌詞と二番の歌詞が異なる。間奏部分にはキャプテンのダイモン(戴萌 Dài Méng ダイ・モン あだ名: ダイモン SNH48 Team SII
 SNH48 1期生
 1993/02/08上海市生まれ
)のセリフもある。

曲の最後の部分の終わり方が、やや中途半端でとっても残念。個人的には最後の「ツリーチャイム」という名前の楽器のサンプリングらしいキラキラ音は無しで、ふつうにストリングシンセのフェイドアウトでいいと思う。

でもこの曲のサビの歌詞「十年後再回首 我們初心不改」はすでに、SNH48メンバーと現地ファン共通の思いをのせたスローガンになっている。

「十年たってふり返っても 私たちの初心は変わらない」

すでに上海SNH48の総選挙は今年で三回目だけれど、七年後、舞台の上で十年前のSNH48をふり返るメンバーがまだ中国各地の舞台に立っているだろうか。

それは誰にも分からない。

以上、予想以上にクオリティの高かった中国SNH48初の完全オリジナル公演『心の旅程』全曲を、勝手に解説しちゃうシリーズはこれにて終了。